[0001]本発明は、制御装置、移動体及び制御方法に関する。
[0002]特許文献1には、電池と、電池の電力を用いるインバータと、インバータによって駆動されるモータジェネレータと、インバータを制御する制御装置とを備える電動車両が開示されている。
[0003]特開2013−17361号公報
[0004]しかしながら、特許文献1は、多相誘導電動機が備えられた移動体の航続距離の向上を実現する技術ではない。
[0005]本発明の目的は、多相誘導電動機が備えられた移動体の航続距離の向上を実現し得る制御装置、移動体及び制御方法を提供することにある。
[0006]本発明の一態様による制御装置は、バッテリから供給される直流電力を多相交流電力に変換して多相誘導電動機に供給するインバータを制御する制御部と、前記多相誘導電動機の回転数である第1回転数が前記多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数を超えたか否かを判定する判定部とを備え、前記制御部は、前記第1回転数が前記第2回転数を超えたことが前記判定部によって判定された場合に、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の周波数を維持しつつ、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の大きさを増加させる。
[0007]本発明の他の態様による移動体は、上記のような制御装置を備える。
[0008]本発明の更に他の態様による制御方法は、バッテリから供給される直流電力を多相交流電力に変換して多相誘導電動機に供給するインバータを制御する制御方法であって、前記多相誘導電動機の回転数である第1回転数が前記多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数を超えたか否かを判定する判定ステップと、前記第1回転数が前記第2回転数を超えたことが前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の周波数を維持しつつ、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の大きさを増加させるステップと、を有する。
[0009]本発明によれば、多相誘導電動機が備えられた移動体の航続距離の向上を実現し得る制御装置、移動体及び制御方法を提供することができる。
[0010]一実施形態による制御装置が備えられた移動体の例を示すブロック図である。 移動体の移動の例を示す図である。 一実施形態による制御装置の動作を示すフローチャートである。 一実施形態による制御装置の評価結果を示すグラフである。 一実施形態による制御装置の評価結果を示すグラフである。
[0011]本発明による制御装置、移動体及び制御方法について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
[0012][一実施形態] 一実施形態による制御装置、移動体及び制御方法について図1〜図5を用いて説明する。図1は、本実施形態による制御装置が備えられた移動体の例を示すブロック図である。ここでは、移動体10が、車両、より具体的には、電気自動車である場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。本発明の原理は、多相誘導電動機14が備えられた様々な移動体10に適用可能である。例えば、移動体10が、船舶であってもよいし、航空機であってもよい。多相誘導電動機14が備えられた移動体10に本発明を広く適用可能である。
[0013]移動体10には、車輪12を駆動する多相誘導電動機14と、多相誘導電動機14を制御するためのインバータ16と、インバータ16を介して多相誘導電動機14に接続されたバッテリ18とが備えられている。
[0014]一般の電気自動車において駆動源として備えられている電動機は、回転子に永久磁石が備えられた電動機、即ち、永久磁石同期電動機である。これに対し、本実施形態では、回転子に永久磁石が備えられていない電動機である多相誘導電動機14が駆動源として備えられている。ここでは、多相誘導電動機14が3相誘導電動機である場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。また、多相誘導電動機14は、例えば、かご形多相誘導電動機であるが、これに限定されるものではない。本実施形態において駆動源として多相誘導電動機14を用いているのは、多相誘導電動機14は、入手性が良好であり、安価且つ軽量であるためである。
[0015]多相誘導電動機14に備えられた不図示の固定子には、不図示の複数の固定子コイル、即ち、複数の相コイルが備えられている。ここでは、U相コイル、V相コイル、W相コイルが固定子に備えられている場合を例に説明する。U相コイル、V相コイル、W相コイルには、U相、V相、W相の各々の相電流Iu、Iv、Iwがインバータ16からそれぞれ供給され得る。このような複数の相コイルに3相交流を供給すると、各々の相コイルにおいて磁界が発生する。3相交流においては、相コイルに流れる電流が順番に最大値になるため、磁石を回転させているのと同様の状態となり、電気伝導体からなる不図示の回転子が電磁誘導によって回転する。
[0016]相電流Iu、Iv、Iwの大きさは、電流センサ32u、32v、32wによってそれぞれ検出され得る。なお、3相のうち2相のみの電流を検出し、検出した2相の電流に基づいて残りの1相の電流を検出するようにしてもよい。電流センサ一般について説明する際には、符号32を用い、個々の電流センサについて説明する際には、符号32u、32v、32wを用いる。電流センサ32によって検出される相電流Iu、Iv、Iwの大きさを示す情報は、後述する制御装置24に供給され得る。
[0017]多相誘導電動機14は、電動機としての機能と、発電機としての機能とを兼ね備えている。多相誘導電動機14は、電動機として機能する場合には、バッテリ18の電力を消費して車輪12を駆動し得る。多相誘導電動機14によって生成される駆動力は、トランスミッション20及び車軸22を介して車輪12に伝達され得る。多相誘導電動機14は、発電機として機能する場合には、車輪12の回転を利用して回生発電を行い、バッテリ18に対して充電を行い得る。
[0018]インバータ16は、直流電力と交流電力との変換を行い得る電気回路が備えられた電力変換装置である。インバータ16は、トランジスタ、サイリスタ等のスイッチング素子を適宜オン・オフさせることによって、直流電力と交流電力との変換を行い得る。かかるトランジスタとしては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられ得る。多相誘導電動機14が電動機として機能する場合、インバータ16は、バッテリ18の直流電力を交流電力に変換して多相誘導電動機14に供給する。より具体的には、インバータ16は、バッテリ18から供給される直流電力を多相交流電力に変換して多相誘導電動機14に供給する。多相誘導電動機14が発電機として機能する場合、インバータ16は、多相誘導電動機14によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ18に供給する。これにより、バッテリ18に対する充電が行われ得る。インバータ16の作動状態は、後述する制御装置24によって制御され得る。
[0019]バッテリ18、即ち、二次電池としては、例えば、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。バッテリ18は、複数のバッテリセルが含まれ得る。
[0020]移動体10には、回転センサ34が備えられている。回転センサ34は、多相誘導電動機14の回転に応じて回転し得る。回転センサ34は、タコジェネレータである。
[0021]本実施形態において回転センサ34としてタコジェネレータを用いるのは、以下のような理由によるものである。即ち、一般的なエンコーダは、応答性が劣っている。このため、回転センサ34としてエンコーダを用いた場合には、多相誘導電動機14の回転数Nをリアルタイムに検出し得ず、多相誘導電動機14の回転数Nの検出にある程度のタイムラグが生じてしまう。これに対し、タコジェネレータは、応答性が優れている。このため、回転センサ34としてタコジェネレータを用いた場合には、多相誘導電動機14の回転数Nをリアルタイムに検出し得る。このような理由から、本実施形態では、回転センサ34としてタコジェネレータを用いている。
[0022]回転センサ34は、多相誘導電動機14の回転軸に接続されている。回転センサ34を多相誘導電動機14の回転軸に接続することにより、多相誘導電動機14の回転数Nを高精度に検出することが可能となる。なお、ここでは、多相誘導電動機14の回転軸に回転センサ34を接続する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。但し、多相誘導電動機14の回転数Nを高精度に検出する観点からは、多相誘導電動機14の回転軸に回転センサ34を接続することが好ましい。
[0023]移動体10には、アクセルペダル36と、アクセルポジションセンサ38とが更に備えられている。アクセルポジションセンサ38は、アクセルペダル36の踏み込み量を検出し得る。アクセルポジションセンサ38は、検出した踏み込み量を示す情報を後述する制御装置24に供給し得る。
[0024]移動体10には、制御装置24が更に備えられている。制御装置24、即ち、ECU(Electronic Control Unit)は、移動体10に備えられている各種の構成要素に対して統合的な制御を行い得る。制御装置24には、演算部26と、記憶部28とが備えられている。演算部26は、制御装置24の全体の制御を司る。演算部26は、例えばCPU(Central Processing Unit)等によって構成され得る。
[0025]演算部26には、制御部42と、判定部44とが備えられている。制御部42と、判定部44とは、記憶部28に記憶されているプログラムが演算部26によって実行されることによって実現され得る。
[0026]記憶部28は、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリとしては、例えばRAM(Random Access Memory)等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。プログラム、テーブル、マップ等が、例えば不揮発性メモリに記憶され得る。
[0027]制御部42は、インバータ16を制御し得る。制御部42は、アクセルペダル36の踏み込み量に応じた周波数の多相交流電流を多相誘導電動機14に供給し得る。
[0028]判定部44は、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超えたか否かを判定し得る。判定部44は、第1回転数N1が第2回転数N2を超えたか否かを、回転センサ34からの出力に基づいて判定し得る。第2回転数N2は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に対応する多相誘導電動機14の回転数Ntに対してある程度のマージンを考慮して設定され得る。即ち、第2回転数N2は、回転数Ntに対して若干大きい値に設定され得る。
[0029]多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超えたことが判定部44によって判定された場合、制御部42は、以下のような制御を実行する。即ち、かかる場合、制御部42は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数を維持するとともに、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させる。
[0030]移動体10が慣性走行(惰行走行)している際には、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超えない。これに対し、移動体10が下りの斜面に位置した際には、位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、移動体10の速度が増加する。移動体10の速度が増加すると、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超え得る。図2は、移動体の移動の例を示す図である。図2における横軸は位置であり、図2における縦軸は高さである。図2に示すように、位置P1と位置P2との間において、移動体10が下りの斜面に位置する。このため、位置P1と位置P2との間の領域において、第1回転数N1が第2回転数N2を超え得る。また、図2に示すように、位置P3と位置P4との間において、移動体10が下りの斜面に位置する。このため、位置P3と位置P4との間の領域において、第1回転数N1が第2回転数N2を超え得る。第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数を維持した状態で、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させると、多相誘導電動機14において生ずる起電力を増加させ得る。多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって得られる起電力の増加量は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって生ずる消費電力の増加量に対して充分に大きい。従って、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数を維持した状態で、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させれば、移動体10の航続距離の向上を実現することが可能となる。なお、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって得られる起電力の増加量が、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって生じる消費電力の増加量に対して充分に大きくなるのは、以下のような理由によるものであると考えられる。即ち、一般に、多相誘導電動機14は、同期センサ等を用いて同期制御され得るが、多相誘導電動機14を始動させる際等の状況においては、特性上、脱調が生じて大きな電流が流れる場合がある。即ち、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数を維持したままにすると、脱調が生じ、また、脱調した状態で多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさが増加すると、多相誘導電動機14において生ずる起電力は充分に大きくなる。本発明では、車両走行時における多相誘導電動機14が引き起こすこのような脱調現象の偶発性を利用し、出力側センサの感度を高め、入力側モータとのギャップをより正確に計測することで、大電流の発生するタイミングを検知し、当該大電流を取り出して利用している。
[0031]上述したように、位置P1と位置P2との間において、第1回転数N1が第2回転数N2を超え得る。また、位置P3と位置P4との間において、第1回転数N1が第2回転数N2を超え得る。本実施形態によれば、多相誘導電動機14の回転数Nがリアルタイムに検出され得るため、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際には、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさが速やかに増加され得る。従って、本実施形態によれば、位置P1と位置P2との間の距離が比較的短く、位置P3と位置P4との間の距離が比較的短い場合であっても、充分な電力を得ることができる。従って、本実施形態によれば、移動体10の航続距離の充分な向上を実現することが可能となる。
[0032]第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさをあまり増加させない場合には、起電力を必ずしも充分に増加させ得ない。一方、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを過度に増加させた場合には、消費電力の増加量に対する起電力の増加量を充分に大きくし得ない。従って、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に多相誘導電動機14に供給される多相交流電流は、適度に増加させることが好ましい。例えば、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に多相誘導電動機14に供給される多相交流電流は、第1回転数N1が第2回転数N2を超えていない際に多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の例えば1.1〜1.9倍程度に設定してもよいが、これに限定されるものではない。
[0033]制御部42は、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の各相の電流値を順次増加させる。即ち、制御部42は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流を増加させる際、多相誘導電動機14に供給される相電流Iu、Iv、Iwを順次増加させる。
[0034]本実施形態による制御装置24の動作の例について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態による制御装置の動作の例を示すフローチャートである。
[0035]ステップS1において、判定部44は、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超えたか否かを判定する。第1回転数N1が第2回転数N2を超えた場合(ステップS1においてYES)、ステップS2に遷移する。第1回転数N1が第2回転数N2以下である場合(ステップS1においてNO)、ステップS1が繰り返される。
[0036]ステップS2において、制御部42は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数を維持しつつ、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させる。この後、ステップS3に遷移する。
[0037]ステップS3において、判定部44は、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2以下になったか否かを判定する。第1回転数N1が第2回転数N2以下になった場合(ステップS3においてYES)、ステップS4に遷移する。第1回転数N1が第2回転数N2を超えている場合(ステップS3においてNO)、ステップS3が繰り返される。
[0038]ステップS4において、制御部42は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加前の大きさに戻す。この後、ステップS1に遷移する。こうして、図3に示す処理が実行される。
[0039]図4は、本実施形態による制御装置の評価結果を示すグラフである。図4の横軸は多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1を示している。図4の縦軸は電力を示している。図4における破線は、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた場合であっても多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させない場合に得られる電力Wを示している。図4における一点鎖線は、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた場合に多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させた場合に得られる電力W′を示している。多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に対応する多相誘導電動機14の回転数Ntは、1750rpmとした。増加させた後における電流値は、増加させる前における電流値の1.125倍とした。図4における実線は、電力W′と電力Wとの差分、即ち、W′−Wを示している。
[0040]図4から分かるように、第1回転数N1が第2回転数N2を超えた際に多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることにより、起電力を増加させることができる。多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって生ずる消費電力の増加量は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって生ずる起電力の増加量に比べて充分に小さい。従って、本実施形態によれば、移動体10の航続距離の向上を実現し得る制御装置24を提供し得る。
[0041]図5は、本実施形態による制御装置の評価結果を示すグラフである。図5における横軸は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを示しており、図5における縦軸は、発電効率を示している。発電効率100%は、消費される電力と得られる電力とが同等であることを意味する。発電効率300%は、消費される電力の3倍の電力が得られることを意味する。図5に示すように、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさが比較的小さい際には、発電効率は、多相交流電流の増加に応じてほぼ線形に増加する。一方、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさが比較的大きくなると、発電効率の増加率は減少する。このことから、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを過度に大きくしないことが好ましいことが分かる。
[0042]このように、本実施形態によれば、多相誘導電動機14の回転数である第1回転数N1が多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数N2を超えた場合に、以下のような制御が行われる。即ち、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の周波数は維持される一方、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさが増加される。多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって増加する起電力は、多相誘導電動機14に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって増加する消費電力に対して充分に大きい。このため、本実施形態によれば、移動体10の航続距離の向上を実現し得る制御装置24を提供し得る。
[0043][変形実施形態] 本発明についての好適な実施形態を上述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
[0044]例えば、上記実施形態では、回転センサ34として、タイムラグが小さく、多相誘導電動機14の回転数に応じた的確な制御を行うことが可能なタコジェネレータを用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。多相誘導電動機14の回転数を検出し得る計測器を、回転センサ34として適宜用い得る。例えば、ロータリーエンコーダ等を回転センサ34として用いるようにしてもよい。
[0045]また、上記実施形態では、回転センサ34が、多相誘導電動機14の回転軸に接続されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。多相誘導電動機14の回転軸に接続されるとともに当該回転軸の回転が伝達される部材に、回転センサ34が接続されるようにしてもよい。
[0046]上記実施形態をまとめると以下のようになる。
[0047]制御装置(24)は、バッテリ(18)から供給される直流電力を多相交流電力に変換して多相誘導電動機(14)に供給するインバータ(16)を制御する制御部(42)と、前記多相誘導電動機の回転数である第1回転数(N1)が前記多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数(N2)を超えたか否かを判定する判定部(44)とを備え、前記制御部は、前記第1回転数が前記第2回転数を超えたことが前記判定部によって判定された場合に、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の周波数を維持しつつ、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の大きさを増加させる。このような構成によれば、多相誘導電動機の回転数である第1回転数が多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数を超えた場合に、以下のような制御が行われる。即ち、多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数は維持される一方、多相誘導電動機に供給される多相交流電流の大きさが増加される。多相誘導電動機に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって増加する起電力は、多相誘導電動機に供給される多相交流電流の大きさを増加させることによって増加する消費電力より大きい。このため、このような構成によれば、移動体の航続距離の向上を実現し得る制御装置を提供し得る。
[0048]前記判定部は、前記第1回転数が前記第2回転数を超えたか否かを、前記多相誘導電動機の回転に応じて回転する回転センサ(34)からの出力に基づいて判定する。
[0049]前記回転センサは、タコジェネレータである。このような構成によれば、タイムラグが小さいため、多相誘導電動機の回転数に応じた的確な制御を行うことができ、移動体の航続距離の向上に寄与し得る。
[0050]前記回転センサは、前記多相誘導電動機の回転軸、又は、前記回転軸に接続されるとともに前記回転軸の回転が伝達される部材に接続されているようにしてもよい。
[0051]前記制御部は、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の大きさを増加させる際、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の各相の電流値を順次増加させるようにしてもよい。
[0052]前記多相誘導電動機は、かご形多相誘導電動機であるようにしてもよい。
[0053]移動体(10)は、上記のような制御装置を備える。
[0054]制御方法は、バッテリから供給される直流電力を多相交流電力に変換して多相誘導電動機に供給するインバータを制御する制御方法であって、前記多相誘導電動機の回転数である第1回転数が前記多相誘導電動機に供給される多相交流電流の周波数に応じた回転数である第2回転数を超えたか否かを判定する判定ステップ(S1)と、前記第1回転数が前記第2回転数を超えたことが前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の周波数を維持しつつ、前記多相誘導電動機に供給される前記多相交流電流の大きさを増加させるステップ(S2)と、を有する。
[0055]10:移動体 12:車輪 14:多相誘導電動機 16:インバータ 18:バッテリ 20:トランスミッション 22:車軸 24:制御装置 26:演算部 28:記憶部 32u〜32w:電流センサ 34:回転センサ 36:アクセルペダル 38:アクセルポジションセンサ 42:制御部 44:判定部 Iu、Iv、Iw:相電流 N1:第1回転数 N2:第2回転数