Pulmonary lobectomy for lung cancer in patients on chronic hemodialysis.
The Journal of The Japanese Association for Chest Surgery（2001）
摘要
人工透析導入中の肺癌患者の手術をより安全に施行する上での示唆をうるため, 1994年から1997年の間に当科で肺葉切除術を受けた5例について検討した.一葉切除3例, 二葉切除1例, 胸壁合併切除1例が行われ, 平均出血量は540ml, 2例で術中輸血を行った.術後急性期は透析医と呼吸器外科医の綿密な管理により重篤な合併症はみられなかった.比較的早期の肺癌症例が多かったが, その手術予後は不良で, 3例を他病死により失った.人工透析患者でも慎重な循環動態の管理, 筋損傷の少ない開胸法の選択, 出血への注意をすることにより, 安全に肺葉切除を行うことができた.しかし透析患者の特異的な病態からみてインフォームドコンセントは十分に行い, 術後長期にわたる外科医と透析医との連携による心不全の管理が不可欠である.
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