
熱電材料の性能指数の評価に必要な電気抵抗率,ゼーベック係数,熱拡散率を広い温度範囲で同時に測定する方法を提案し,測定結果の有効性について論じた.高温環境に適用可能な熱電対プローブおよび試料ステージを開発し,3つの熱電特性を単ーセットアップで測定可能なシステムに組み込んだ.コンスタンタンを参照試料として,室温において測定システムの有効性評価を行った.次に,ニッケル,ジルコニア,標準試料SRM 3452 (BドープSi80Ge20)および酸化物熱電材料(LiドープNiO)の試料について,室温から820~1173 Kの高温まで評価した.その結果,高い繰返し再現性と,参照値に対して概ね良好な一致を示した.
近年,電子基板の放熱設計を行う上で,金属ベース基板の放熱性を評価できる装置が求められている.我々は,フローカロリーメータを用いた熱流量を評価する装置を開発した.本研究では,本評価装置による熱抵抗の評価能力を検証する.特に,従来の定常法と比べて低熱抵抗側における性能を検討するために,40mm角×2mm厚と5mm厚の複数の試料(Cu,Al,S50C,SUS304,SiO2ガラス)の測定を行った.熱流量の熱抵抗依存性は1次元伝熱モデルに基づいて定性的に一致した.熱抵抗既知の標準試料を用いれば,フローカロリーメータを用いた装置で1×10-5~3×10-3m2KW-1の熱抵抗を検出できることが分かった.
This study verifies the reliability of lumped thermodynamic fuel cell electric vehicle (FCEV) tank model under considerably slow-fill conditions. Many countries put efforts into research and development of FCEVs. As part of the efforts, thermodynamic hydrogen fueling models have been developed to understand the hydrogen temperature in the onboard tanks of FCEVs during the fueling process. Most of the models treat the hydrogen inside the tanks to be a lumped system and assume the hydrogen temperature to be uniform throughout the tanks. In other words, the hydrogen temperature is treated as average bulk temperature. This study certifies whether treating the hydrogen temperature in a tank as the bulk gas temperature is suitable by evaluating the temperature distributions inside the tank by a three-dimensional computational fluid dynamics (3D CFD) model.
冷感マスクの冷却効果をふく射伝熱によって考察するため,それらの垂直入射-半球反射スペクトルを測定した.ポリエステル,ナイロン,綿,ポリプロピレンを主成分とする5種類のマスク,比較のため2種のインナー,1種の日傘で合計8種を測定対象とした.ポリエステルを主成分とする素材が放射伝熱冷却に優れている測定結果が得られ,3μm以下の可視光域で反射率が高く,赤外域で低かった.測定結果に基づき放射冷却に着目した性能指数を導入し,冷却マスクの放射冷却メカニズムを考察した.走査電子顕微鏡で観察し,表面に光学干渉する特徴的構造がなく,材料の持つ光学特性がふく射伝熱冷却性能を決めていると考えられる.
冷凍空調機器に封入されている冷媒には,地球温暖化係数が低いものへの転換が求められている.本研究では,その候補物質の1つR1123 (Trifluoroethene)を対象に,分子シミュレーションの課題を明らかにし,量子化学計算と室温付近の測定データを活かした低温域の物性予測精度向上のための方策について提案する.R1123の二量体間相互作用から修正すべきLennard-Jonesパラメータに見当をつけ,飽和液密度の測定値を参照し微調整を行った.調整後の分子力場を用いて飽和圧力,表面張力,ならびに第2ビリアル係数に対し十分な再現性を得ることができた.一方で,蒸気の誘電率や第3ビリアル係数の予測には大きな誤差が生じることが明らかになった.
It is possible to calculate the oil film thickness and the pressure distribution on the Hertzian contact surface of bearings, gears, traction drives, etc. by the EHL theory by Dowson et al.. For these calculations, it is important to determine the high pressure viscosity and high pressure density of lubricant. In a previous report, I constructed a theory of the relationship between viscosity, temperature and pressure. And the van der Waals type viscosity equation was derived. Similarly, in this study, I constructed a theory of the relationship between density, temperature and pressure. As a result, it was found from the dimensional analysis that 1/3 power of density (line density) was negatively proportional to temperature. This linear equation was found to be a van der Waals type line density equation which consists of three eigen constants: absolute zero line density rho t=01/3, line density constant 1/G and pressure constant H/G. Furthermore, the pressure constant H/G of the line density equation is equivalent to the PR of the liquid state equation and the pressure constant C/B of the van der Waals type viscosity equation. And I report the results of estimating the high pressure density of various lubricants by the line density equation.
近年,地球温暖化等による気温の上昇等に伴う人体の温熱環境の変化は,日々の生活時における人体の温熱的快適性に大きな影響を与えている.人の温熱的快適性を決定する要素の一つである着衣は,着衣時に衣服と人体の間に形成された衣服内気候の温湿度や気流を変化させることで,人体の温熱環境を直接的に制御することが可能である.しかしながら,着衣の構造と衣服内気候における温度場,気流の状態等に関する実験的検討はあまり行われていない.このため本研究では,着衣時に形成される衣服内気候の温度場の状態や,気流の形成メカニズムの解明を目的とし,アクリルフィルムと円筒ヒーターを用いた着衣模擬人体を用いて,着衣時の衣服内気候の開口部形状や空隙間隔の変化が,人体の体温に起因した自然対流による気流,衣服内気候の温度場と人体との間の熱伝達特性に及ぼす影響について実験的に検討した.
本研究では,アルミナ基板上の釉薬ベースEr酸化物膜において,石灰釉の熔融やCaEr4(SiO4)3Oの生成に関するプロセスを明らかにした.そして,TPV発電用波長選択エミッターとして適切な焼成条件ならびに散乱を抑制する手法について検討した.その結果,(1)CaEr4(SiO4)3OはEr2O3粒子と熔融石灰釉間の固相反応によって生成される,(2)Er2O3と石灰釉の重量比は約2:3で焼成温度は1250℃以上が望ましい,(3)緻密なEr2O3粒子を用いた微細化の防止やEr3+イオンを用いたEr酸化物のナノ粒子化といった粒径の制御が散乱抑制に有効である,ことが明らかとなった.
本研究は,多層カーボンナノチューブ(MWCNT: Multi-Wall Carbon Nanotube)分散混合水の,熱伝導率推定に適する理論推定モデルの検討を目的とする.MWCNT分散水の分散質と連続相の熱伝導率比は,MWCNTが高い熱伝導率を有していることから,これまでに評価された範囲を超えて大きい.適正な理論推定モデルは,MWCNT組成質量割合と温度をパラメータとし,細線加熱法による実測定値との比較により検討を行った.非常に細く長い形状を有する供試MWCNTは,変形し交錯した状態で連続相中に分散していると考えられる.よって,MWCNT分散水の熱伝導率推定は,球体分散モデルと円柱配置モデルにより検討した.熱伝導率実測値は,熱流が軸方向である円柱配置のRayleighモデルおよびHamilton式による推定値と良く一致する結果が得られた.
本研究では粉末状の二酸化バナジウムから成型された構造材の熱挙動の把握を目的として,焼結成型体およびバインダー成型体を実際に作製し,加温実験および熱回路網法を用いたシミュレーションによる熱特性の検討を行った.その結果,二酸化バナジウムの相転移温度において潜熱の影響により温度維持の効果がある事,熱回路網法による温度変化の予測が可能であるという結果が得られた.さらに,バインダーの種類を変えた場合には,バインダーの熱物性値により,成型体そのものの熱挙動が大きく変化することがわかった.
近年,熱電変換材料の構造,組成および特性等を迅速に評価するため,ハイスループットな手法を用いた熱電変換材料の研究開発が行われている.本研究では,熱電変換材料の候補であるPbTe-Sb2Te3化合物の中から低い熱浸透率を示す組成・組織を評価し,より有力な候補材となる組成を熱物性顕微鏡(Thermal Microscope: TM)を用いて検証することを目的とした.その結果,Pb2Sb6Te11の熱浸透率がPbTe-Sb2Te3化合物の中で最も低くなっており,熱伝導の立場からPb2Sb6Te11が熱電変換材料の有力な候補材となることが明らかとなった.これにより,ハイスループットな手法を用いた材料開発における材料組織の熱物性値評価手法の一つとして,熱物性顕微鏡が有効であることを確認した.
従来の宇宙機用ラジエータ材は太陽光を反射する目的で金属を含む材料を一般に用いていたため,電波透過面に適用することは出来ない.そこで,金属を用いず低太陽光吸収率を示し,かつ,高全半球放射率を示す新しい電波透過型宇宙用熱制御材COSF(Controlled Optical Surface Film)を開発している.本材料は,耐宇宙環境性に優れたポリイミドフィルムを基板とし,その表面には誘電体多層膜が成膜されている.多層膜の膜厚は遺伝的アルゴリズムを用いて設計し,低太陽光吸収率及び高全半球放射率となるように,評価関数を設定した.本論文では,熱光学特性に関する設計方法及び測定結果について報告する.
( ) Using the Stefan method, the gaseous diffusion coefficients of CFC113 molecular weight 187.4 and trichloromethane molecular weight 119.4 into dry air were measured at atmospheric pressure. ( ) ( °C) ( ) The measurement was carried out at 310.2 K 37 for CFC113 vapor pressure 0.070 MPa and at 324.2 K 51 for trichloromethane vapor pressure 0.072 MPa . The diffusion path ( °C) ( ) 3 3 3 6 3 1 6 lengths 80×10 m, 120×10 m, 160×10 m and the air flow rates 3.3×10 m s 100×10 L Q ( ) ( -
低密度でナノ多孔構造を持つシリカエアロゲルは,真空断熱材以外で最も小さい見かけの熱伝導率(0.02 W/(m∙K)以下)を示す材料として知られている.近年,シリカエアロゲルを不織布やポリマーのシートと複合化した断熱材料の開発と実用化が進んでいる.このような材料については,適合する測定法が限られること,試料サイズが限定される場合が多い等の問題があり,熱伝導率の測定方法が十分確立されていない.本研究では,我々が開発したシート状シリカエアロゲルについて,異なる方法での熱伝導率測定値の比較や,試料厚さ,大きさが測定値に及ぼす影響を検討した.熱流束計(HFM)法を用い,薄い試料を熱伝導率既知の材料で挟み込む手法により,保護熱板(GHP)での測定値とほぼ一致した測定値(0.016 W/(m∙K))が再現性よく得られることを確認した.また,試料のサイズがHFM法での測定値に及ぼす影響や,熱線法での測定値との比較を検討した.
字宙用断熱材は耐放射線性,高断熱性,高耐熱性,軽量性が求められる.そこで,それらの特性を有するポリイミドフォームに着目している.新しい断熱材の開発段階において簡便かつ小型の評価装置が望まれるため,52mm径の小型試料を対象として有効熱伝導率測定を行うことを試みた.断熱材の有効熱伝導率測定は,保護熱板法によって行われるのが一般的であるが,本論文では保護熱板を用いない簡便な設計にすることで装置の小型化を目指した.しかし,高断熱かつ小型である試料を測定対象としているため,熱損失の影響が相対的に大きくなり,測定値の信頼性が低下する.そこで,試験体温度差を用いた熱流分離法を適用することで熱リークを考慮した測定を行った.また,モンテカルロ法を導入してふく射の遠隔作用を考慮した解析プログラムを作成し評価も行った.
フラッシュ法を用いた熱拡散率等の解析をラプラス空間で行う場合,ラプラス変数を設定する必要がある.裏面温度理論式と同条件で測定したデータであれば問題が無いが,異なる条件での測定となる場合が多くこのことによりラプラス変数の適正領域が決定される.本論文では単層材の熱拡散率とビオ数の解析を想定し,理論式と異なる測定条件として測定データ有限性と時刻原点のずれを取り上げ,それぞれのラプラス変数適正領域を確認した.ラプラス変数の適正領域はラプラス変数pと測定時間tmの積(p×tm)により確認した.測定データの有限性はラプラス変数適正領域の下限を決定し,時刻原点のずれはラプラス変数適正領域の上限を決定する.解析時にはラプラス変数をこの上限と下限で挟まれる範囲に設定することになる.ラプラス変数適正領域は測定時間が長いほど範囲が広くなり,時刻原点のずれが大きいほど狭くなる.熱拡散率に対するラプラス変数の適正領域は,ビオ数に対する適正領域より広い.
地球温暖化係数が低く,消火剤のハロンや冷媒のフロンの代替物として期待されているトリフルオロヨードメタン(CF3I)について,利用するために必要な熱物性値としてpρT性質の測定をおこなった.測定は,等容法により323Kから453K,10MPaの範囲において,密度74~1817kg/m3の19本の等密度線に沿っておこない,116点のデータを得た.また,測定結果をBenedict–Webb–Rubin(BWR)式によりフィッティングし,測定値の圧力偏差を2%で相関した.
This study shows the evaluation results of the calorific value of biomass fuel and waste fuel. The calorific value is measured by using an adiabatic type calorimeter. In the case of farming in Japan, even in the case of farming with in-greenhouse cultivation, the amount of shipments is suppressed by the inability or delay of growth of agricultural crops in winter. Farmers can obtain a variety of biomass fuels and waste fuels from nearby locations and want to determine if these various fuels can be used in combustion heaters. However, there are few the calorific value data of these fuel, so that it is difficult to estimate the usage and storage amount. The lack of data hinders the widespread use and utilization of these unused resources. This paper presents the results of measuring the calorific value of coniferous, hardwood, charcoal, bamboo, livestock manure compost as biomass fuel, engine oil filters and separator paper waste for condensers as waste fuel, and provides practical data for fuel diversification. [