
構造物の耐震性能照査を材料非線形解析により行う場合の照査基準値(部材厚増分・圧縮縁変位差・偏差ひずみ第二不変量)に対して,地中RC構造物の耐震性能照査手法の高度化を目的として実施した実大規模の試験体を用いた載荷実験結果と照らし合わせて,損傷指標としての適用性を検討した.試験体は1辺1.1mの正方形断面RC柱である.試験ケースは,N-1:基本ケース,P-1:あと施工型せん断補強鉄筋あり,N-2-1:斜め載荷,N-2-2:プレクラックありの4ケースで,P-1以外はせん断破壊先行型の配筋仕様である.検討の結果,それぞれの実験条件下における各照査基準値の推移と試験体の損傷状況との関連が明らかになるとともに,既往のマニュアル等で規定されている限界値が,想定されている損傷範囲に概ね適合し,かつ安全側であることが確認された.
本研究では,き裂進展を模擬する3段階2パラメータ延性破壊モデルを用いて無補剛箱形断面鋼製橋脚の弾塑性繰り返し解析を行う.まず,T型溶接継手を対象に提案された0.5mm角メッシュモデルの結果から1mm角メッシュモデルに対し損傷開始パラメータを補正する方法が無補剛箱形断面橋脚に対し適用可能か検討した.また,Pushover解析を実施し,単調載荷下においてメッシュ分割の違いが非破壊解析に及ぼす影響について検討した.さらに,Pushover解析から得られた各パラメータを用いて延性破壊解析を行い,実験結果と比較した.
Seismic fault displacement poses a significant threat to various types of civil structures. Location and amount of displacement have a high degree of uncertainty for carrying out the countermeasure of fault movement. Therefore, the current countermeasures are conducted in such a way that the possible surface displacement on the active faults crossing the buried pipeline is estimated using an empirical formula. By the way, if the fault displacement does not appear on the ground surface, the ground strain due to the fault dislocation may cause damage to the pipeline. This study aims to clarify the possible deformation of buried pipelines caused by fault dislocations based on the elasticity theory of dislocation and to provide a database for exploring fault countermeasures for buried pipelines.
近年,様々な優れた特性を持つ鋼材が開発され多くの鋼構造物に適用されている.それらの鋼材の特性を明らかにし,橋梁の性能に適合した鋼材を選定することで,橋梁の性能向上およびライフサイクルコストの低減が可能となる.本研究では,高応力三軸度領域(応力三軸度η ≥ 1/3)における高強度鋼材の延性き裂の発生・進展を模擬するため,ノッチを有する試験片の単調引張実験を行い,異なるノッチ半径やノッチ角度,鋼種および化学成分による影響を比較し,破断に至るまでの力学的特性とき裂の発生・進展を明らかにしようとしている.
2011年東日本大震災では地盤の液状化により約27,000棟の戸建て住宅の沈下や傾斜被害が発生した.今後,同様の液状化被害を防ぐために,既設戸建て住宅に対する液状化対策の開発が急務である.本報では,既設戸建て住宅に対して対策を行う上での"狭い施工空間" "対策費用"といった制約を満足する新しい液状化対策工を提案する.この対策工は,地盤が液状化した際の支持力低下分を小口径の杭材の軸力とそれに連結したワイヤーの張力で補うものである.ここでは,1/25スケールの重力場の振動台実験により,杭やワイヤーの配置による対策効果を考察した.その結果,建物周囲に配置した杭端部の水平方向の変位を拘束することで建物模型のめり込み沈下を抑制できることがわかった.加えて液状化地盤中の杭材の変形に伴う曲げ降伏は生じなかった.