日本ヘルニア学会「鼠径部ヘルニアの分類改訂版」と手術術式の検討
清水 智治,来見 良誠,花澤 一芳,村田 聡,柳橋 健,岡本 正吾, 岡内 博,蔦本 慶裕,内藤 弘之,林 直樹,横田 徹, 渡邉 信介,川口 晃, 箙 洋三, 神谷 純広,都築 英之,河崎 千尋,鈴木 雅之 Nihon Gekakei Rengo Gakkaishi (journal of Japanese College of Surgeons)(2011)
滋賀ヘルニア研究会 滋賀医科大学外科学講座
摘要
(目的)成人鼠径部ヘルニアに関する多施設前向き症例登録データを用いて,日本ヘルニア学会「鼠径部ヘルニア分類改訂版」(新分類)の検証と各病型による手術術式を検討した.(方法)2009年5月より10月の期間,滋賀ヘルニア研究会15施設において成人鼠径部ヘルニア327症例を前向き症例登録し,集積したデータを解析した.(結果)初発鼠径部ヘルニア308例について,術者が判定した術者分類(新分類を用いるように依頼)はI-1:5.2%,I-2:46.1%,I-3:14.0%,II-1:5.2%,II-2:6.2%,II-3:14.0%,III:4.2%,IV:2.6%であった。I型で施設間のばらつきが目立ち,ヘルニア門直径から推測した新分類ではI-1が1.6%となった.Tension free repairが89%を占め,Direct Kugel(DK)法49%,Plug-mesh(PM)法23%,PHS法16%であった.I型ではヘルニア門が大きくなるほどPM法の使用頻度が低下し,DK法とPHS法はPM法と比較してII型で多く採用されていた.(結語)ヘルニア分類とtension free repairに用いられるメッシュの種類・サイズなどに一定の傾向を認めることから,将来,新分類をヘルニア診療ガイドラインに用いることができる可能性が示された.しかし,施設間で分類の病型頻度に差がみられ,新分類の普及やヘルニア門の径判定法の周知などに関して,日本ヘルニア学会およびわれわれ研究会側の努力も必要と考えられる.
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