〔目的〕I型糖尿病に対するインスリン治療において,持続皮下インスリン注入療法(以下CSII)が用いられている.CSII用のデバイスとしては,数社より供給されているが,それぞれ一長一短がある.今回,当院で使用しているデバイスの使用状況,問題点ならびに市販されているデバイスを臨床工学技士の立場から検討したので報告する.〔方法〕当院での使用状況ならびに問題点,市販されているデバイスの検討を行った.〔結果〕当院において使用しているデバイスは,SP-3HQ(ニプロ):30台とMiniMed507c(MiniMed):4台である.SP-3HQは病棟管理,MiniMed507cはME部管理となっている.SP-3HQは取り扱いが容員で構造が単純にもかかわらず,ケースの破損,液漏れによるネジ部の固着等,管理の不備によるトラブルがあった.MiniMed507cは,日本語表示ではなく慣れない患者だと不便さを感じる.また,設定や構造が複雑で高価である.導入されていない施設も多く.転院先で使用法などの対応が困難とのことで中止例が1例あった.しかし操作方法の理解不足によるトラブル以外は大きなトラブルはなく患者のQOLの観点から比べるとMiniMed507cの方が有効であると思われるが,管理体制の充実が必要である.市販されているデバイスは5種類あり,形状,重量,警報機能は大差ないが,操作性においては若干の違いがあり,それがそれぞれの特徴となっている.今後CSII用のデバイスとしてはプログラム機能が付いていることが必須となり,より安価で操作性が簡単な物が求められる.また,臨床工学技士が院内で一元管理をすることが安全管理の面からも必要と考える.〔結論〕新しいデバイスが開発され広く使用されている.しかしCSIIの専門スタッフはほぼ皆無である.デバイスの誤動作は生命の危機に直面することもあり,臨床工学技士としてデバイスの管理,提言,啓発活動をすることは患者のQOLの向上にもつながると考える.
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