W5-6 炎症反応陰性骨病変進行型の関節リウマチ症例に対するトシリズマブの効果
Nihon Rinsho Men'eki Gakkai kaishi = Japanese journal of clinical immunology(2013)
順天堂大学医学部附属静岡病院 膠原病・リウマチ内科
摘要
【目的・方法】炎症反応(CRP)が継続的に陰性にも関わらず,骨病変が進行する関節リウマチ(RA)症例の比率は,観察期間6ヶ月で約10%,24ヶ月の累積で約30%にも及ぶことを報告してきた.ところで,IL-6はRAの病態に重要な役割を果たしており,CRPを誘導するとされている.したがって継続的にCRPが陰性の症例群は,病態的にIL-6の関与が少ない可能性がある.我々は,継続的にCRPが陰性にもかかわらず骨病変の進行した症例に抗IL-6R抗体であるトシリズマブを投与した.トシリズマブ投与後の臨床的効果を観察しリウマチ学会で経過を発表したが,症例を追加し(4例,女性3例,男性1例),病態を考察した.【結果】治療前血清IL-6値は,1例が感度以下,3例がそれぞれ10,17,12 pg/mlであった.治療前及びトシリズマブ投与後12週におけるDAS28-ESRは,5.54→2.86,3.57→1.73,4.61→1.80,4.15→1.85,CDAIも23.2→10.3,5.6→1.4,17.9→8.2,14.0→8.2と4例すべて著明な改善傾向を示した.1例はトシリズマブfreeとなった.【考察】トシリズマブの著明な効果から,炎症反応が継続的に陰性であっても,IL-6が病態の重要な役割を果たしている可能性が示唆された.炎症反応が陰性であっても活動性のあるRA症例に対し,トシリズマブは治療選択の1つとなりうる.
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引用