[0001]本発明は、環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサン、特に、数平均分子量1000以上のポリアルキレンポリオールに室温で可溶である該ポリロタキサンに関する。
[0002]環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンは、それを用いた材料が、優れた伸び率、優れた柔軟性などを示すことから種々の材料に応用することが期待されている。 該ポリロタキサンの特性を活かすために、ポリロタキサンの環状分子、例えばα−シクロデキストリン(以下、単に「α−CD」と略記する場合がある)の水酸基を種々の修飾基で修飾し、溶媒への相溶性を向上させた報告、機能性を付与する報告が種々存在する。
[0003]例えば、特許文献1は、耐加水分解性を有するポリロタキサン、具体的にはポリロタキサンの環状分子であるα−CDの水酸基に平均重合度が1.1〜10.0のプロピレンオキシド側鎖を有するポリロタキサンを開示する。 しかしながら、特許文献1に開示するポリロタキサンは、室温で数平均分子量1000のポリプロピレングリコールに溶解しないため、各種溶媒により優れた相溶性を有し、加工性を備えたポリロタキサンが要求されている。また、優れた相溶性及び加工性に加えて、該ポリロタキサンを用いて得られた架橋体について優れた粘弾性を備えることが要求されている。
[0004]WO2018/225704。
[0005]しかしながら、特許文献1に開示するポリロタキサンは、室温で数平均分子量1000のポリプロピレングリコールに溶解しないため、各種溶媒により優れた相溶性を有し、加工性を備えたポリロタキサンが要求されている。また、優れた相溶性及び加工性に加えて、該ポリロタキサンを用いて得られた架橋体について優れた粘弾性を備えることが要求されている。
[0006]そこで、本発明の目的は、各種溶媒により優れた相溶性を有し、且つ加工性を備えたポリロタキサンを提供することにある。 また、本発明の目的は、上記目的以外に、又は、上記目的に加えて、該ポリロタキサンを用いて得られた架橋体が優れた粘弾性を有することができるポリロタキサンを提供することにある。 さらに、本発明の目的は、上記目的以外に、又は、上記目的に加えて、上記ポリロタキサンを用いて得られた架橋体などの成形品を提供することにある。
[0007]上記目的を達成するために、本発明者は、以下の発明を見出した。 <1> 環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンであって、 前記環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有し、 数平均分子量1000以上、好ましくは数平均分子量1500〜6000、より好ましくは数平均分子量2000〜5000のポリアルキレンオキシポリオールに室温で可溶であるポリロタキサン。 <2> 上記<1>において、ポリロタキサンが水酸基を有し、水酸基価が40〜130mgKOH/g、好ましくは50〜110mgKOH/g、より好ましくは70〜100mgKOH/gであるのがよい。
[0008]<3> (A)上記<1>又は<2>に記載のポリロタキサン;及び (B)ポリオール; を含有する組成物。 <4> 上記<3>において、(C)イソシアネート基を2個以上有する化合物;をさらに有するのがよい。 <5> 上記<3>又は<4>において、(A)ポリロタキサン及び(B)ポリオールの合計重量を100重量部とすると、該100重量部中、(A)ポリロタキサンが0.1〜55.0重量部、好ましくは1.0〜40.0重量部、より好ましくは3.0〜30.0重量部、有するのがよい。
[0009]<6> 上記<3>〜<5>のいずれかにおいて、(B)ポリオールは、数平均分子量が1000以上のポリプロピレンオキシポリオール及びその変性体又は共重合体、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であるのがよい。 <7> 上記<3>〜<6>のいずれかに記載の組成物から形成される成形品。
[0010]本発明により、各種溶媒により優れた相溶性を有し、且つ加工性を備えたポリロタキサンを提供することができる。 また、本発明により、上記効果以外に、又は、上記効果に加えて、該ポリロタキサンを用いて得られた架橋体が優れた粘弾性を有することができるポリロタキサンを提供することができる。 さらに、本発明により、上記効果以外に、又は、上記効果に加えて、上記ポリロタキサンを用いて得られた架橋体などの成形品を提供することができる。
[0011]以下、本願に記載する発明を詳細に説明する。 本発明は、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンであって、 前記環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有し、 数平均分子量1000以上、好ましくは数平均分子量1500〜6000、より好ましくは数平均分子量2000〜5000のポリアルキレンオキシポリオールに室温で可溶であるポリロタキサンを提供する。
[0012]<環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサン> 本発明は、プロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサンを提供する。 該プロピレンオキシ繰り返し単位を有することにより、本発明のポリロタキサンは、数平均分子量1000以上、好ましくは数平均分子量1500〜6000、より好ましくは数平均分子量2000〜5000のポリアルキレンオキシポリオールに室温で可溶とすることができる。
[0013]ここで、ポリアルキレンオキシポリオールとは、2つ以上の水酸基及びアルキレンオキシ繰り返し単位を有する化合物のことをいい、具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールトリオール型、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンオキシ-ブロック-ポリエチレンオキシポリオール、ポリプロピレンオキシ-ブロック-ポリカプロラクトンポリオール、ポリプロピレンオキシ-ブロック-ポリ乳酸ポリオールなどを挙げることができるがこれらに限定されない。 これらのポリアルキレンオキシポリオールに室温に可溶とすることができることにより、ポリアルキレンオキシポリオールを主成分とする材料に均一にポリロタキサンを分散でき、加工、(硬化)反応することで、材料の柔軟性向上、強度向上という効果が期待できる。
[0014]本発明のポリロタキサンの環状分子は、上記プロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基以外に、他の材料と反応できる第1の官能基を備えるのがよい。第1の官能基として、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基などを挙げることができ、特に第1の官能基として、水酸基を有するのがよい。本発明のポリロタキサン、特に本発明のポリロタキサンの環状分子が水酸基を有する場合、水酸基価が40〜130mgKOH/g、好ましくは50〜110mgKOH/g、より好ましくは70〜100mgKOH/gであるのがよい。 本発明のポリロタキサンは、プロピレンオキシ繰り返し単位が6.0以上、好ましくは10.0以上、より好ましくは15.0以上であるのがよい。
[0015]以下、ポリロタキサンを構成する「環状分子」、「直鎖状分子」、「封鎖基」について説明する。なお、これらは従来公知のものを用いることができる。 <<環状分子>> 本発明のポリロタキサンの環状分子は、環状であり、開口部を有し、直鎖状分子によって串刺し状に包接されるものであれば、特に限定されない。 環状分子は、任意の連結基を介して上記プロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有してもよい。なお、連結基として、−CH 2 −CH 2 −、−CH 2 −CH 2 −CH 2 −、−CH 2 CH(OH)−CH 2 −、−CH 2 −CH 2 −CH 2 −CH 2 −、−CO−CH 2 −CH 2 −、−CO−C(CH 3 ) 2 −CH 2 −、−CO−CH(OH)−CH 2 −、−CO−CH 2 −CH 2 −CH 2 −CH(CH 3 )−などを挙げることができるがこれらに限定されない。
[0016]環状分子は、上記プロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基以外の基を有してもよい。例えば、上記の基以外の基として、アセチル基、プロピオニル基、ブチルエステル基、メトキシ基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基、ブチルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、2、3−ジヒドロキシプロピル、フェニル基、ベンジルカルバモイル基、フェニルエチルカルバモイル基、ベンジルエステル基、ブチルベンジルエステル基などを挙げることができるがこれらに限定されない。 環状分子として、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択されるのがよい。 例えば、上述したように、α−シクロデキストリンなどの−OH基の一部を、上述の第1の基で置換するのがよい。なお、α−シクロデキストリンなどの−OH基の一部が上記第1の基以外の基で置換されてもよい。
[0017]<<直鎖状分子>> 本発明のポリロタキサンの直鎖状分子は、用いる環状分子の開口部に串刺し状に包接され得るものであれば、特に限定されない。 例えば、直鎖状分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体からなる群から選ばれるのがよい。例えばポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれるのがよい。特にポリエチレングリコールであるのがよい。
[0018]直鎖状分子は、その重量平均分子量が1,000以上、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは6,000〜50,000であるのがよい。 本願の、ポリロタキサンにおいて、(環状分子、直鎖状分子)の組合せが、(α−シクロデキストリン由来、ポリエチレングリコール由来)であるのがよい。
[0019]<<封鎖基>> 本発明のポリロタキサンの封鎖基は、擬ポリロタキサンの両端に配置され、用いる環状分子が脱離しないように作用する基であれば、特に限定されない。 例えば、封鎖基として、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、ピレン類、置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、フェニルなどを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多核芳香族類(置換基として、上記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及びステロイド類からなる群から選ばれるのがよい。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、及びピレン類からなる群から選ばれるのが好ましく、より好ましくはアダマンタン基類又はシクロデキストリン類であるのがよい。
[0020]<本発明のポリロタキサンを有する組成物> 本発明は、上記ポリロタキサンを含有する組成物を提供する。特に、本発明は、(A)上記ポリロタキサン;及び(B)ポリオール;を含有する組成物を提供する。 本願において、(B)ポリオールとは、OH基を2以上有する物質をいう。 ポリオールとして、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリシロキサンポリオール、複数の種類のポリオールのブロック共重合体又はグラフト体(例えば、ポリエーテルポリオールにポリエステルをブロック重合したポリオール)、側鎖に水酸基を2以上有するポリマーなどを挙げることができるが、これらに限定されない。 ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリシロキサンポリオールから選択されてなる少なくとも1種であるのがよく、好ましくはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールから選択されてなる少なくとも1種、より好ましくはポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールから選択されてなる少なくとも1種であるのがよい。
[0021]側鎖に水酸基を2以上有するポリマーの例として、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどの側鎖水酸基付与品などを挙げられる。
[0022]ポリオールが有するOH基が2である場合であっても、3以上である場合であってもよい。該ポリオールは、1種のみであってもよく、複数種を併用してもよい。 ポリオールは、その重量平均分子量が50〜30,000、好ましくは250〜10,000、より好ましくは250〜8000であるのがよい。
[0023](B)ポリオールは、数平均分子量が1000以上のポリプロピレンオキシポリオール及びその変性体又は共重合体、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であるのがよい。
[0024](A)ポリロタキサン及び(B)ポリオールの合計重量を100重量部とすると、該100重量部中、(A)ポリロタキサンが0.1〜55.0重量部、好ましくは1.0〜40.0重量部、より好ましくは3.0〜30.0重量部、有するのがよい。
[0025]また、組成物は、(C)イソシアネート基を2個以上有する化合物;をさらに有するのがよい。 (C)イソシアネート基を2個以上有する化合物は、公知の脂肪族、脂環族及び芳香族のイソシアネートを用いても、別途、新規に合成したものを用いてもよい。
[0026](C)イソシアネート基を2個以上有する化合物の例として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など、並びに、これらの誘導体又は多量体、これらのポリイソシアネートを用いて、既存のポリマーにイソシアネート基を複数付与したポリマー部位を有するポリイソシアネート、などを挙げることができるがこれらに限定されない。
[0027](C)イソシアネート基を2個以上有する化合物を用いる場合、その量は、次のような範囲であるのがよい。 (C)イソシアネート基を2個以上有する化合物のイソシアネート基のモル数と、ポリオール及びポリロタキサンの活性水素のモル数との比率、即ち(イソシアネート基のモル数)/(ポリオール及びポリロタキサンの活性水素のモル数)が、0.30〜2.00、好ましくは0.50〜1.50、より好ましくは0.60〜1.20となるように、ポリイソシアネート化合物の量、を調整するのがよい。 なお、比率(イソシアネート基のモル数)/(ポリオール及びポリロタキサンの活性水素のモル数)は、「NCOインデックス」として表される場合もある。
[0028]活性水素について、具体的には、ポリオールに存在するOH基の水素、ポリロタキサンに存在するOH基の水素などを挙げることができる。また、OH基由来の水素に限らず、ポリオール及びポリロタキサンに存在するチオール基、一級アミノ基、二級アミノ基、カルボン酸基などの水素も活性水素として作用するため、それらの合計モル数が「ポリオール及びポリロタキサンの活性水素のモル数」となる。 活性水素がOH基のみに由来する場合、その活性水素の量は、水酸基価OHVで表すことができる。
[0029](B)ポリオール及び/又は(A)ポリロタキサンと、(C)イソシアネート基を2個以上有する化合物との反応を促進するのに用いられる触媒として、公知である各種ウレタン化触媒を用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]デセン−5等の三級アミン類;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸金属塩、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンバーサテート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛、ビスマストリオクテート(2-エチルヘキサン酸)、オクチル酸アルミニウム等の有機金属化合物等が挙げられる。 これらのうち少なくとも1種の触媒を、架橋体の形成に添加したほうが好ましい。 添加量は、ポリオールに対して、0.001〜5.0質量%であるのがよい。
[0030]また、架橋体の形成に際して、溶媒を用いてもよい。架橋体製造工程後、溶媒を除去するのが好ましい。溶媒は、架橋体成分を混合しやすくするため、架橋体成分同士の相溶性を高めるため、空隙を有する材料に塗布する際の粘度調整のため、空隙を有する材料に塗布後の架橋反応速度を調整するため、などの目的で使用することができる。 溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
[0031]<<上記(A)成分〜上記(C)成分;以外の成分>> 上述したように、本発明の組成物は、上記(A)成分;上記(B)成分;及び所望により上記(C)成分を有するが、それ以外の成分を有してもよい。 これらの成分として、特に限定されないが、酸化防止剤、UV吸収剤、架橋助剤、界面活性剤、乳化剤、可塑剤、ポリマー微粒子、シリカ、アルミナなどの金属酸化物、表面調整剤、難燃剤、溶媒などを挙げることができるがこれらに限定されない。 可塑剤として、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリクレジルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
[0032]UV吸収剤として、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、パラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸オクチルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。 溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒を挙げることができるがこれらに限定されない。
[0033]<本発明の組成物から形成される成形品> 本発明は、上記組成物から形成される成形品、具体的には、上記組成物から形成される架橋体を提供する。
[0034]<本発明のポリロタキサンの製造方法> 本発明のポリロタキサン、即ち、環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサンは、例えば次のように製造することができる。 即ち、 (I)水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程;及び (II)前記第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは115〜130℃の温度範囲で反応させる工程; を有することにより、第1のポリロタキサンの前記環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有する第2のポリロタキサンを得ることができる。
[0035]<(I)工程> 上記(I)工程は、環状分子が水酸基を有するポリロタキサンを準備する工程である。 この工程は、WO2008/108411などに記載された方法により行うことができる。
[0036]<(II)工程> 上記(II)工程は、第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは115〜130℃の温度範囲で反応させる工程である。 金属塩基触媒として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどを挙げることができるがこれらに限定されない。金属塩基触媒として、反応に用いる温度、反応に用いる圧力などに依存するが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムであるのが好ましい。 本工程を用いることにより、プロピレンオキシ繰り返し単位を効率よく、より長鎖とすることができるので好ましい。
[0037]上記方法は、上記(I)工程及び(II)工程以外の工程を有してもよい。 (I)工程及び(II)工程以外の工程として、溶媒を除去する工程などを挙げることができるがこれらに限定されない。
[0038]<本発明のポリロタキサンを有して形成される成形品、例えば架橋体の製造方法> 本発明は、また、本発明のポリロタキサン有して形成される成形品、例えば架橋体の製造方法、特に本発明のポリロタキサンを有する組成物から形成される成形品、例えば架橋体の製造方法を提供する。 該方法は、 (X)本発明のポリロタキサンを準備する工程、例えば、上記(I)工程及び(II)工程を有する製造方法により本発明のポリロタキサンを準備する工程; (XI) 上記ポリロタキサンに(B)ポリオール及び所望により(C)イソシアネート基を2個以上有する化合物;を加えて組成物を得る工程; (XII) 得られた組成物を温度:例えば室温から150℃、圧力:例えば常圧、の条件下で反応させる工程; を有することにより、成形品、例えば架橋体を得ることができる。 なお、(XII)工程は、例えば型を使用し種々な形状の硬化物を成形する工程、コーター等を用いてシート状の硬化物を成形する工程、スプレーガンで硬化物を表面にコーティングする工程、などを含んでもよい。
[0039]本発明のポリロタキサン、該ポリロタキサンを有する組成物、ポリロタキサンを含有する成形体は、その特性から、種々の応用がある。応用として、例えば、電気・電子部品材料、アクチュエータ用電気絶縁材料、粘着剤・接着剤、センサー用材料、耐キズ性膜、防振・制振・免振材料、吸音材量、塗料、コーティング剤、シール材、インク添加物・バインダー、金属・金属酸化物のバインダー、研磨剤のバインダー、光学材料、摩擦制御剤、化粧品材料、ゴム・エラストマー添加剤、発泡材料、樹脂改質・強靭化剤、樹脂の相溶化剤、電解質材料、レオロジー制御剤、増粘剤、繊維、医療用生体材料、化粧品材料、機械・自動車材料、建築材料、衣料・スポーツ用品などを挙げることができるがこれらに限定されない。 以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[0040](実施例) 各化合物の分析装置 1 H−NMR測定は、400MHz JEOL JNM−AL400(日本電子株式会社製)によって測定した。 分子量、分子量分布の測定は、TOSOH HLC−8220GPC装置で行った。カラム:TSKガードカラムSuper AW−HとTSKgel Super AWM−H(2本連結)、溶離液:ジメチルスルホキシド(DMSO)/0.01M LiBr、カラムオーブン:50℃、流速:0.5ml/min、試料濃度を約0.2wt/vol%、注入量:20μl、前処理:0.2μmフィルターでろ過、スタンダード分子量:PEO、の条件下で測定した。 水酸基価、酸価の測定は、JIS K 0070:1992に準ずる方法(ともに電位差滴定法)で測定した。 分解温度は熱分析装置TG/DTAリガクTG8120−1C(株式会社リガク製)で測定した。
[0041]<合成例1:ヒドロキシプロピル基修飾ポリロタキサンHAPRの合成> 直鎖分子:ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=1.1万)、環状分子:α−シクロデキストリン、封鎖基:アダマンタン基からなるポリロタキサン及び該ポリロタキサンをヒドロキシプロピル基で修飾したポリロタキサン(HAPR)をWO2008−108411に記載された方法で作製した。 GPCにより、得られたHAPRの重量平均分子量Mwを測定したところ、49,800であった。また、NMR分析から、シクロデキストリンの水酸基の50%がヒドロキシプロピルに置換されたことが分かった。水酸基価を測定した結果、398mgKOH/gであった。
[0042]<実施例1> <<反応工程>> 攪拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブに、HAPR(50g、0.36mol)、ジメチルホルムアミド(116.7g)及び水酸化カリウム(0.84g)を入れ、窒素置換を実施し密閉した。 窒素置換後、115℃まで昇温し、プロピレンオキシド(205g、3.53mol)を反応温度115〜120℃、ゲージ圧力0.4MPa以下になるように調整しながら導入した。導入終了後、115〜120℃で内圧が一定となるまで熟成した。反応終了後、60℃まで冷却し、生成物1(372g)を得た。
[0043]<<精製工程>> 得られた生成物1の全量、及び蒸留水1430gを3Lフラスコに入れ、攪拌しながら90℃まで昇温した。昇温後、攪拌を停止し、分層させた後、水層を除去した。除去した水層部分と等量の蒸留水を添加し、同条件で水洗を2回繰り返すことにより水洗物1(720g)を得た。 得られた水洗物1を1Lフラスコに入れ、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG1(240g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG1を得た。 ポリロタキサンPR−g−PPG1について、 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が7.5であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価(表1中、「OHV」で表す)、分解温度を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、α−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度は、WO2018/225704A1(該内容は全て本願に参照により取り込まれる)の段落番号[0021]〜[0026]を参照することにより求めた(以降においても同じ)。
[0044]<実施例2> <<反応工程>> 実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から283g(4.88mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物2(450g)を得た。 <<精製工程>> 実施例1において、生成物1の代わりに生成物2を用い且つ蒸留水の量を1430gから1735gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物2(755g)を得た。 その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG2(310g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG2を得た。 ポリロタキサンPR−g−PPG2について、実施例1と同様に 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が13であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価、分解温度についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
[0045]<実施例3> <<反応工程>> 実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から353g(6.09mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物3(519g)を得た。 <<精製工程>> 実施例1において、生成物1の代わりに生成物3を用い且つ蒸留水の量を1430gから2075gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物3(750g)を得た。 その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG3(386g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG3を得た。 ポリロタキサンPR−g−PPG3について、実施例1と同様に 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が19であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価、分解温度についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
[0046]<実施例4> <<反応工程>> 実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から457g(7.88mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物4(623g)を得た。 <<精製工程>> 実施例1において、生成物1の代わりに生成物4を用い且つ蒸留水の量を1430gから2450gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物4(762g)を得た。 その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG4(482g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG4を得た。 ポリロタキサンPR−g−PPG4について、実施例1と同様に 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が>19であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価、分解温度についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
[0047]<比較例1> WO2018/225704の実施例4に記載された方法により、修飾ポリロタキサンPR−g−PPGXを作製した。 具体的には、未修飾ポリロタキサン(APR20とする)は、直鎖状分子として分子量20,000のPEGを用い、WO2005/052026、WO2013/147301に記載された方法に従って作製した。得られたAPR20の重量平均分子量Mwは83,000であった。 反応フラスコにAPR20 1g、プロピレンオキシド20mlを導入し、撹拌しながらジアザビシクロノネン(DBN)1ml、1mol/Lテトラブチルアンモニウムフロオライド(TBAF)1mlを導入し、30℃で72時間撹拌を続けた。得られた反応物を精製した。GPCで分析した結果、得られた修飾ポリロタキサンPR−g−PPGXの重量平均分子量Mwは167,000であった。 ポリロタキサンPR−g−PPGXについて、 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が5.7であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価、分解温度についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
[0048]<比較例2> 合成例1で調製したHAPRをそのまま用いた。
[0049]<比較例3> 合成例1で調製したHAPR10gを100℃の真空乾燥機で乾燥した後、撹拌機を備えた反応フラスコに導入し、窒素をゆっくり流しながら、ε−カプロラクトン35gを導入した。100℃、60分間メカニカル撹拌機によって均一に撹拌した後、予めトルエンで薄めた2−エチルヘキサン酸スズ(50wt%溶液)0.3gを添加し、130℃、5時間反応させた。ガスクロマトグラフで残留ε−カプロラクトンを分析し、導入量の1%未満であれば、反応を終了させた。溶媒を除去し、反応生成物PR−X(44g)を得た。 PR−XのIRを測定した結果、1736cm −1 のエステル由来のピークが見られた。また、GPCにより、重量平均分子量Mwは182,000、分子量分布Mw/Mnは1.21であった。 ポリロタキサンPR−Xは、 1 H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDにポリカプロラクトン鎖が結合されていることが分かった。 水酸基価は87mgKOH/gであった。
[0050]<溶解性> 上記実施例1〜4で得られたポリロタキサンPR−g−PPG1〜4、比較例1で得られたポリロタキサンPR−g−PPGX、比較例2のポリロタキサンHAPR、及び比較例3で得られたポリロタキサンPR−Xについて、ポリエーテルポリオール材料への溶解性について、調べた。 ポリエーテルポリオール材料として、ポリプロピレングリコール700(PPG700、数平均分子量:700)、ポリプロピレングリコール1000(PPG1000、数平均分子量:1000)、ポリプロピレングリコール2000(PPG2000、数平均分子量:2000)、ポリプロピレングリコール3000(PPG3000、数平均分子量:3000)、ポリプロピレングリコール6000(PPG6000、数平均分子量:6000)、ポリテトラメチレングリコール650(PTMG650、数平均分子量:650)、及びポリテトラメチレングリコール1000(PTMG1000、数平均分子量:1000)を用いた。 これらの溶解性の結果を表1に示す。 なお、溶解性は、2wt%の溶液となるように溶質(各種ポリロタキサン)及び溶媒を準備し、室温(25℃)(ただし、Bについては加熱条件下)において、溶解するか否かを以下の基準で調べた。 AA:透明に溶解。 A:濁りがあるが沈降物はない。 B:加熱により溶解、相溶。 C:不溶分がある。
[0051]<実施例5:加水分解試験> 容器にPR−g−PPG2 1gをジメチルアセトアミド9gに溶解し、水0.5g、ジアザビシクロノネン(DBN)0.2gを導入し、撹拌下において、50℃、162時間経過後、温度を90℃に上げ、さらに41時間放置し、その後DBN 0.2g追加し、17時間撹拌を継続した。本作業において、定期的に溶液をサンプリングし、修飾ポリロタキサンPR−g−PPG2のGPC測定を行った。ポリロタキサンのピークの保持時間を表2に示す。
[0052]<比較例4:加水分解試験> 実施例5と同様な実験を比較例3で得られたポリロタキサンPR−Xについても行った。その結果を表2に示す。 表2は、強塩基DBNによる加水分解試験の過程でGPCを測定し、ピークの保持時間をまとめた結果である。保持時間が長くなれば、分子量が小さくなる。つまり、ポリロタキサンが分解される。 表2から、実施例5のPR−g−PPG2の保持時間がほとんど変化せず、比較例3のPR−Xに比べて、優れた耐加水分解性を示すことがわかる。
[0053]<合成例2:PPG1000のプレポリマーの作製> 反応容器にビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学製)44.6gを入れ、窒素フロー、80℃で撹拌しながら、PPG1000(富士フィルム和光純薬製)50gをゆっくり滴下し、4時間反応させた。得られた両末端がイソシアネート基を有するPPG1000プレポリマー(PRE−1k)のイソシアネート濃度を測定し、11.35wt%であった。
[0054]<合成例3:PPG2000のプレポリマーの作製> 反応容器にビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(タケネート600、三井化学製)22.3gを入れ、窒素フロー、80℃で撹拌しながら、PPG2000(富士フィルム和光純薬製)50gをゆっくり滴下し、4時間反応させた。得られた両末端がイソシアネート基を有するPPG2000プレポリマー(PRE−2k)のイソシアネート濃度を測定し、7.19wt%であった。
[0055]<実施例6:組成物からのフィルム作製> PR−g−PPG2 4.0gと合成例2で作製したPPG1000プレポリマー(PRE−1k)2.56gを6.56gの酢酸エチルに溶解した後、溶液を剥離処理したガラス基板に塗布し、真空オーブンで85℃、2時間加熱し、反応を完結させた。ガラス基板からフィルムを剥離し、厚み40〜60μmのフィルムを得た。
[0056]<実施例7〜実施例10>及び<比較例5〜比較例8> 用いるポリロタキサン、用いるプレポリマー、及びそれらの用いた重量を、表3に記載したものとした以外、実施例6と同様な方法により、フィルムを作製した。溶媒として使用する酢酸エチルの量について、不揮発分の濃度が約50wt%になるように調整した。 表3から、本発明のポリロタキサンを用いた配合において、数平均分子量が1000以上のポリプロピレンジオール及びそのプレポリマー(変性品)に対して、相溶性が良く、得られたフィルムは透明かつ柔軟性に優れていることが分かった。