虫垂粘液嚢腫は虫垂内腔に粘液が貯留し,嚢胞状に拡張した状態で比較的まれな疾患である。大腸癌取扱い規約第8版では2010 年WHO 分類との整合性が考慮され,低異型度虫垂粘液性腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:LAMN)が新たに分類された。今回われわれは,2010 年4 月〜2015年12 月の間に手術を施行したLAMN 14 例につき検討した。男女比が7:7で,年齢は平均60 歳であった。虫垂炎で発症したのは6 例(43%)であった。LAMNと術前診断した症例は9 例で,うち2 例でCEAの上昇を認めた。手術は,リンパ節郭清を伴う回盲部切除を6 例(腹腔鏡下3 例)に施行,虫垂(盲腸)切除を8 例(腹腔鏡下6 例)に施行した。病理結果では,断端は全例陰性でリンパ節郭清例に転移はなかった。虫垂切除例に対して追加治療は行わず,全例無再発生存中(6〜56か月)である。LAMNの治療方針に関して明確な基準は存在せず,診療ガイドラインの構築が望まれる。