当院においては,片側声帯麻痺によって生じた音声障害例に対し,甲状軟骨形成術I型または被裂軟骨内転術および両者を組み合わせた術式を施行している。それによって術後の音声に関して安定した成績が得られている。I型は,一色の原法に従い,窓状に切開した軟骨片は除去せずに残す方法をとっている。内方に圧排した軟骨片の固定には,従来,シリコンブロック,Gore-Tex®等が用いられてきた。しかし当院においては,最近,ほぼ全例にチタンプレートを使用している。チタンプレートは術中の成形が比較的簡単でかつ耐久性があり,組織親和性が高いことなどが特徴としてあげられる。また周囲組織への固定が簡便で,局所麻酔下において患者に発声させながらの音声の調整も容易である。さらにシリコンブロックやGore-Tex®による軟骨片固定の失敗例に対する再手術への使用に対しても良好な結果を得ている。今回われわれはこれまでにチタンプレートを用いて音声再建をした声帯麻痺症例を検討し,良好な結果を得ることができたことを確認した。
陽電子放射断層撮影(Positron emission tomography, PET)検査では機能・代謝情報を得ることができる。PETによる低酸素イメージングで得られた情報を放射線治療に応用し,放射線抵抗性を示す腫瘍内の低酸素領域への線量増加をしようという試みも報告されている。北海道大学病院では,核医学診療科が中心となってdetectorに半導体を用いたPETを開発し,臨床に用いている。また,[18F]fluoromisonidazole(FMISO)PETによる低酸素イメージングも行われており,それを用いた強度変調放射線治療(Intensity modulated radiation therapy, IMRT)を用いた線量増加についても検討を始めている。本シンポジウムでは,北海道大学病院での放射線治療におけるPETの利用について,上記の項目を中心に発表する。