borderline resectable pancreatic cancer(BR膵癌)に対してGEM+nab-PTXによる術前化学療法が奏効し,R0 切除可能となった症例を経験したので報告する。症例は77 歳,女性。褐色尿・灰白便主訴に前医を受診し,膵頭部腫瘍による閉塞性黄疸と診断され加療目的に当科紹介となった。術前CT にて膵後部の30 mm 大の腫瘍によるSMV への浸潤およびSMAへの半周以下の接触を認め,BR 膵癌と診断しGEM+nab-PTXによる化学療法を先行する方針とした。治療後に著明な腫瘍縮小を認め,開始から22 週目に亜全胃温存膵頭十二指腸切除術・D2リンパ節郭清・SMV合併切除再建・SMA 右半周神経叢郭清を施行した。病理組織学的評価では,浸潤が疑われたSMV 壁やSMA 周囲神経叢やいずれの膵周囲剥離面にも癌浸潤を認めず,最終診断はpT3(DU+)pN0cM0,fStageⅢで,R0手術が可能であった。Evans分類を用いた組織学的治療効果はGrade Ⅲであった。以上より,GEM+nab-PTX 療法はBR 膵癌に対してR0 切除を企図した術前化学療法の一選択肢になり得ると考えられた。