日本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会では「働き方改革」導入直前の消化器外科医の労働環境の状況や改善への取り組み,会員の意識を明らかにする目的で会員を対象にアンケートを行い,2,932名(18.6%)より回答を得た.その結果,労働環境の改善に向けた取り組みはみられるものの労働時間等の改善は十分とは言えない結果であった.それにも関わらず会員の要望で最も多かったのは賃金の改善であった.兼業が収入の30%以上を占めるものが62%で,手術技術料としてのインセンディブの導入を望む回答が多かった.休日・深夜・時間外加算1の導入は65%まで浸透してきているが,インセンティブの導入は全体の28%であった.
肝臓には, 特定の成熟期にあるnatural killer(NK)細胞が局在し, 強力な抗腫瘍分子TNF‐related apoptosis inducing ligand (TRAIL) が誘導可能で, TRAIL受容体を高発現する中・低分化肝細胞癌 (HCC) に対し細胞死を誘導する. そこで, 肝移植時に摘出したドナー肝を体外灌流した排液からNK細胞を回収してin vitroでTRAIL誘導して術後に移入するNK細胞移入療法を考案し, 第Ⅰ相試験を広島大学と米国マイアミ大学で実施し, 安全性と容量依存の無再発率・生存率の改善を報告した. また, TRAIL遺伝子多型が, HCCの遠隔転移再発の危険因子になることを確認した. NK細胞が自己のHLAを認識するkiller immunoglobulin‐like receptor (KIR) を表出すると共に活性が強化される機構をlicenseと呼ぶ. KIR‐HLA遺伝子多型に起因する脆弱なlicense機構の保有患者では, HCCの再発リスクを負うことを解明した.