残存聴力型人工内耳 (EAS) の登場と人工内耳適応基準の変更により, 術前に残存聴力を認める症例に対する人工内耳手術件数が増加している. EAS では補聴器の機能が付与されたハイブリッド型人工内耳対外機を用いて, 低音域を音響刺激として入力する. そのため, EAS の適応となる高音急墜型感音難聴では残存聴力を温存する目的と, その活用方法が明確である. 一方, EAS 以外の残存聴力を有する人工内耳症例 (residual hearing cochlear implant 症例: RH-CI 症例) では, 術後に温存された聴力をどのように活用するか, 定まった方法はない. 本研究では, まず当院の EAS 症例と RH-CI 症例の温存率を比較し, RH-CI 症例でも一定の聴力温存率が得られることを示した. さらに RH-CI 症例の1例で, 人工内耳と同じ耳に補聴器を装用すると, 人工内耳単独よりも聴覚的な利点が得られることを示した. 人工内耳体外機と補聴器を同じ耳に装着するのであれば, ハイブリッド型人工内耳体外機の方が装用者にとって扱いやすく実用的と考えられる. しかし, 現行の保険適応では RH-CI 症例にハイブリッド型人工内耳体外機を使用することはできない. RH-CI 症例と EAS 症例を一つの残存聴力を有する症例群としてシームレスに捉え, RH-CI 症例でもハイブリッド型人工内耳体外機を使用できるようにすることで, 全ての残存聴力を有する症例が効率的に残存聴力を活用できる可能性がある.
fluorodeoxyglucose(FDG)投与後、視覚言語刺激(話者の顔の無音ビ デオ画像)を 40 分間負荷し、その後に PET カメラ(ECAT EXACT HR+、Siemens)で脳スキャンを行 った。低年齢で脳スキャン中に安静が保てない A、B 群では視覚言語刺激後、全身麻酔下に計測を行なっ た。本研究は当院の研究倫理審査委員会で承認され、保護者(先天性高度難聴小児)あるいは本人(成人 先天性難聴被験者、対照群被験者)から文書による同意を得て実施した。 【結果】 年少高度難聴群(A、B 群)では健聴成人対照群に比して後頭葉の視覚連合野、側頭葉の上側頭回、上 側頭溝、前頭葉の運動前野で相対的に高い代謝が観察された。A 群と B 群を比較すると、A 群(音声言語 使用)では運動前野で代謝が高く、B 群(トータルコミュニケーション)では後頭葉の視覚野で相対的に 高い代謝が見られた。音声言語を使用する小児の中で年少の