大分県のサツマイモから分離されたSPFMVに類似する性質を示すウイルスは,アサガオでの症状がわが国で既報のSPFMV-S, -O, -Tが示す症状と明らかに異なっていた.本分離株は,RT-PCR-RFLPによりSPFMV-S, -O, -Tとは異なるバンドパターンを示した.また,本分離株の外被タンパク質(CP)を含む3ˈ末端部分をRT-PCRで増幅して,その塩基配列を決定した結果,そのCPは313アミノ酸より構成されており,SPFMV-C,SPFMV-CH2,SPFMV6およびSPFMV-SORと90%以上の相同性を示したことからSPFMVであることが確認された.さらに,これを元にした分子系統樹により,本分離株はC系統グループに属することが判明した.わが国において,C系統に属するSPFMVの同定はこれが初めてであり,本分離株を今後SPFMV-Bungoと命名したい.
大分県のサツマイモから分離されたウイルスは,10科16種の植物中,アサガオ,I. setosaおよびC. amaranticolorに感染し,アサガオの病徴はSPFMV-S, -O, -Tと異なった.アサガオ粗汁液中の本ウイルスの保存限界は20℃で1日以内,希釈限界は10−3~10−4倍,不活化温度は50~60℃であった. さらに,ウイルス粒子の長さは約850 nmであり,モモアカアブラムシによって非永続的に伝搬された.一方,外被タンパク質は355アミノ酸より構成されており,SPVG各分離株と93~99%の相同性を示した.また,これを元にした分子系統樹により,本ウイルスはSPVG各分離株と同じ独立したクラスターを形成した.本ウイルスは,サツマイモへの単独感染では塊根表皮のわずかな退色のみの病徴にとどまったが,SPFMV-Sとの重複感染では,SPFMV-Sの単独感染よりも激しい病徴を示した.以上の結果から,本ウイルスはわが国では未報告のSPVGの分離株であることが明らかとなったため,SPVG-Oitaと命名したい.