われわれは,硬膜内髄外腫瘍に対し,腫瘍摘出術を施行し,術中の経頭蓋電気刺激—脊髄誘発電位(brain spinalcord evoked potential:Br(E)-SCEP)が術中の脊髄損傷予防に有効であった1 例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
脊髄梗塞は急性発症する両下肢麻痺の原因となるが,発生頻度は低く,病態に関しては不明な点が多い1).発生頻度は脳梗塞発症の約1%程度であり2),そのうち二次的に発生した脊髄虚血の症例を除いた特発性脊髄梗塞は28~74%であるといわれている3~5).過去の報告では脊髄梗塞の原因として大動脈解離,大血管手術の合併症,アテローム性動脈硬化,心原性塞栓,凝固異常,脊椎疾患,外傷性,薬剤性など多数の原因があげられているが6),大血管疾患による二次的発生以外の原因は特定することが困難ともいわれている1).本稿では大血管疾患による二次的発生の脊髄梗塞を除いたものを特発性脊髄梗塞と定義する.今回われわれは臨床所見とMRI の経時的画像変化により特発性脊髄梗塞の診断にいたった症例を提示し,脊髄梗塞の診断に関して文献的考察を加えて報告する.