症例は76歳の男性で,倦怠感を主訴に受診した.血液検査にて白血球数が37,100/μlと上昇し,腹部造影CTにて肝右葉に辺縁に造影効果のある径8 cmの腫瘤を認めた.まず肝膿瘍を疑い,膿瘍ドレナージを含めた保存的加療を開始したが改善傾向を認めなかった.その後白血球数が71,000/μlと異常高値を示したためgranulocyte-colony stimulating factor(以下,G-CSFと略記)を測定したところ,800 pg/ml(基準値<39 pg/ml)と上昇を認め,G-CSF産生腫瘍を疑い手術を行った.病理組織学的検査は肝未分化癌で,G-CSF免疫染色陽性でありG-CSF産生肝未分化癌と診断した.手術後,白血球数は一旦正常化したが再び上昇し,次第に全身状態不良となり術後32日目に死亡した.非常にまれなG-CSF産生肝未分化癌を経験したので報告する.