潰瘍性大腸炎に対する標準術式は大腸全摘・回腸囊肛門吻合あるいは大腸全摘・回腸囊肛門管吻合術である.両者は病変を切除し自然肛門を温存する術式である.このうち回腸囊肛門管吻合術は,適応を選べば人工肛門を造設しない一期的手術が小開腹により可能な術式で,術後の排便機能も良好であり,本症に対する機能を温存する縮小手術である.
・Crohn 病には高率に肛門病変が合併する.・肛門病変は,下部直腸肛門に生じたCrohn 病の潰瘍病変とその続発性病変である.・ 代表的な病変は痔瘻,肛門周囲膿瘍,裂肛,腟瘻,(直腸)肛門狭窄などであるが,直腸肛門管がんが増加しつつあり注意を要する.・症状を訴えなくても肛門病変を認める例もあり,全例に肛門部の診察を行う.・ 肛門病変は分泌や疼痛などの症状によって生活の質(QOL)を低下させ,再燃を繰り返すことが多いため,病変を評価し,適切な治療を行う.・ 通常診察では病変の評価が十分できない場合,内科治療前にドレナージを要する場合,内科治療で改善がない場合などには外科医,あるいは肛門科医に診察を依頼する.