要旨 可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome: RCVS)は雷鳴頭痛を主徴とし,画像上の脳血管攣縮を認める症候群である。本疾患に関する認識は救急医療の現場において十分とはいえず,早期診断に至らない場合も少なくない。今回我々は,血管攣縮の継時的変化を捉えられたRCVS症例を経験した。本症例を通じてRCVSの診断,治療および臨床上の問題点について報告する。症例は20歳の男性。運動中に激しい後頭部痛を認めた。第5病日に近医を受診し頭部MRIおよびMRAを施行されるも異常を指摘されなかった。症状が改善しないため第8病日にMRAを再度施行されるも異常を指摘されず,第16病日に当院へ救急搬送となった。神経脱落所見を認めなかったが,CTで右前頭葉円蓋部にくも膜下出血を認めた。MRAで動脈瘤や血管解離所見を認めず,両側中大脳動脈末梢に多発性の血管攣縮像を認めた。第5,8病日のMRAでも同部位の血管攣縮を後方視的に指摘し得た。RCVSと診断し保存的に加療した。第21病日のMRAで血管攣縮所見は正常化した。神経脱落所見を後遺せず第23病日に退院となった。本疾患の自然歴は不明であり標準的な治療法が確立されておらず,治療介入により重症化を回避し得るか否かは不明である。病態把握と治療法確立のために,さらなる症例の蓄積と統合的な検討が望まれる。
血管温存と組織の切開・破砕を共存させる低侵襲外科治療装置の開発は機能回復まで含めた手術成績を飛躍的に向上させる有力な手術支援装置となりえる.われわれは高速水流を用いた組織切開・破砕法の優れた組織選択性に早くから注目し,水分子に吸収されやすいHo:YAGレーザーの水中細管内照射により発生する蒸気泡を駆動源として用いる高速微小噴流生成法を開発した.われわれ医工産学連携チームによる原理開発の経緯から臨床応用に至るまでの過程と今後の展開を概説する.