我が国は障害者権利条約に批准し,障害者の社会的包摂を進めるべく国内法整備を着々と進めている。障害者差別解消法の施行,障害者雇用促進法における法定雇用率の引上げなどはそれらの最たる例として挙げられよう。差別解消法施行後,障害者への合理的配慮提供は,国や自治体にのみ法的義務とされ,民間事業者は努力義務とされてきた。しかし2021年3月,全事業者に対して障害者に対する合理的配慮提供を義務づける法案が閣議決定された。こうした趨勢は障害者のさらなる社会的包摂を促していくと考えられる。しかし,こうした障害者を取り巻く社会情勢の変化に人々の理解が追いついておらず,かつ障害者の社会的包摂促進のあり方を考えるうえで必須となる障害自身や障害者が取り巻かれている状況に関するエビデンスも少ない。本シンポジウムでは,障害に関する近年の動向と我々心理学者に何ができるかを生物心理社会モデルの視点から踏まえた上で,これまで忘れられがちであった「社会」の視点を取り込む形で進められている研究を紹介する。その上で,今後障害者の社会的包摂に対して心理学者は何を行う必要があるのか,また社会心理学的視座の有用性について考えたい。
Meeting Information: The Twenty-seventh Space Utilization Symposium (January 24-25, 2011. Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA)(ISAS)), Sagamihara, Kanagawa Japan