まず、貧血とは酸素供給の役割を担う血液中の赤血球やヘモグロビン(Hb)の量が減少することで、体内に起こる酸素欠乏の状態をいいます。酸素はHb にくっついて運ばれるため、Hb が少ないと運ばれる酸素も少なくなります。またHb をつくる鉄分の減少、栄養不足でも貧血が起こります。
透析間の塩分や水分過剰により体重増加過多となった場合、通常の時間内で十分な除水を行おうとすると、時間当たりの除水量を上げなければなりません。18 ページで述べたように、除水速度がplasma refilling 速度より速くなってしまった場合、循環血液量は減少し、血圧低下を起こします。
循環血液量とは、心臓と血管の中を流れる血液の総量のことです。血圧を規定する2 つの因子(心拍出量と末梢血管抵抗)のうち、心拍出量は心機能と循環血液量に、また末梢血管抵抗は自律神経(なかでも交感神経)とその神経化学伝達物質でもあるカテコラミンの作用などによって左右されています。したがって、透析により除水を行い循環血液量が減少すると、血圧が下がるのです。