【はじめに】開大型高位脛骨骨切り術(Open wedge high tibial osteotomy, 以下OWHTO)後感染に対して矯正角を保ったまま感染沈静化が得られた症例を経験したので報告する.【症例】60代男性.他院で変形性膝関節症に対してOWHTOを施行.術後早期から手術創の発赤を認め,症状改善なく術後5週に当科紹介となった.脛骨近位内側の手術創感染に加えヒンジ骨折(type 3)が原因と考えられる化膿性膝関節炎を併発し,関節穿刺液から黄色ブドウ球菌を検出した.インプラント温存は不可能と判断し,Masquelet法に準じる軟部組織再建を併用したStaged managementによる治療を行い,矯正角を保ったまま感染沈静化が得られた.【考察】OWHTO術後感染は1~5% 程度発生するとされ,沈静化が得られても機能障害や矯正損失が問題となることが多い.術後感染に対して,早期発見と迅速な対応,及び治療戦略が重要と考えられた.
【はじめに】当院で経験したDFOにOWHTOを併用した症例(DLO群)とTCVOを併用した症例(DFOTO群)とで比較検討を行なったので報告する.【対象と方法】2015年から2019年までにDLOまたはDFOTOを施行した17例20膝を対象とし,術前および最終経過観察時のX線計測値,膝関節可動域,JOA score,KOOSを評価した.【結果】膝関節可動域は,DLO群がDFOTO群と比較して術前伸展制限が大きい傾向にあったが有意差はなかった.術後の伸展可動域はDLO群が-5.5°,DFOTO群が-1.6°であり,伸展制限はDLO群が有意に大きかった.両術式間で術前後のX線計測値と臨床スコアに有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAとKOOSのPainやSymptomsとの間に相関係数がそれぞれ0.66および0.72の正の相関を,ΔJLCAとKOOSのSymptomsとの間に相関係数-0.75の負の相関を認めた.【結語】DLO群とDFOTO群とで臨床スコアやX線計測値に有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAやΔJLCAと臨床スコアの間に相関を認めた.
【はじめに】我々はK-L grade 3,4の内側型変形性膝関節症に対して脛骨顆外反骨切り術(TCVO)を行っているが,術後に屈曲拘縮が存在する症例を時に経験するため,その原因を調査した.【対象と方法】2008年から2016年までにTCVOを行った66膝(平均年齢61歳,男性17膝,女性49膝)を対象とし,術前および術後1年の伸展可動域およびX線学的計測値を調査した.【結果】全症例の平均伸展角度は術前-2.7度,術後-3.0度だった.術後の伸展角度が術前より悪化したのは18膝,変化がなかったのは32膝,改善したのは16膝だった.術後に5度以上の屈曲拘縮が存在した24膝を屈曲拘縮群,それ以外の42膝を正常群とすると,両群間に有意差があったのは術前伸展角度と術後脛骨関節面後方傾斜角(PTS)であった.性別,年齢,mLDFAおよび術前後のJLCA,MPTA,%MAに有意差はなかった.【結語】TCVOでは術前屈曲拘縮があれば術後も屈曲拘縮が生じやすいため,慎重な適応判断が必要である.また,術中はPTSが増大しないよう留意する必要がある.