食物アレルギーの発症・増悪を修飾する因子として遺伝的要因,環境要因があげられる.母乳は,アレルギーの発症を修飾する因子の一つと考えられている.そこで,母乳中のサイトカインを測定した.生後1ヶ月の時点での母乳は生後数日の母乳と比較し,IFN-γの濃度は上昇し,TGF-β1, 2の濃度は減少する傾向を認めた.母乳中のサイトカインは,免疫寛容誘導の成立を修飾する可能性が示唆された.つぎに,治療への展開として牛乳の主要アレルゲンであるβ-ラクトグロブリン(BLG)を酵素で分解し,B細胞エピトープを消失させ,T細胞エピトープは保持したBLGを作製した.牛乳アレルギー患者に,投与したところ一部の牛乳アレルギー患者では,寛容誘導が促進される可能性が示唆された.現在,他の牛乳アレルゲンの分解物の作製を行うとともに,少量減感作療法との比較も含めて,効率的かつ安全な経口減感作療法の確立にむけて検討をすすめている.