背景: Karnofsky performance status(KPS)の低い初発神経膠芽腫に対するベバシズマブ(bevacizumab: Bev)の治療効果については不明な点が多い。今回われわれは,KPS 60 以下で全摘出も困難な4 例の初発神経膠芽腫に対して,部分摘出(生検を含む)後に放射線・テモゾロミド(temozolomide: TMZ)・Bev併用療法を経験したので報告する。対象・方法:当院で摘出術を施行した初発神経膠芽腫14 例のうち,KPS 60 以下かつ本人・家族の希望などの理由により部分摘出術もしくは生検術で組織診断を行った4 例を対象とした。術後治療として,病理診断後に拡大局所放射線療法,TMZ およびBev の併用療法を行った。結果:患者の平均年齢は77.2(67〜85)歳,男女比は男性1 例,女性3 例であった。全例において,MRIでの病変および周囲浮腫の縮小を認めた。3 例は上記術後療法を完遂しKPS の低下なく退院したが,播種病変を有する1 例は意識障害の増悪,KPS の低下を認め途中で治療終了とした。考察: AVAglio 試験におけるOS に関するサブグループ解析では,PS 0(KPS 90〜100に相当)とPS 1〜2(KPS 60〜80に相当)との比較では有意差はないものの,後者のほうがBevの恩恵を受けやすい傾向を認めている。未だ治療成績や長期予後など不明な点は多いが,本例のような状況の初発神経膠芽腫に対してもBev 併用療法が有用である可能性が示唆された。