セチルピリジニウム及びメタノール共存下で2-(2-チアゾリルアゾ)-5-ジメチルアミノフェノール(TAM)によるトリウムの吸光光度定量について検討した.錯体はセチルピリジニウムクロリド(CPC)及びメタノールの共存下で赤紫色を呈する.波長570 nmにおける吸光度は,pH 4.3~4.8の範囲で一定であり,少なくとも90分間は安定である.トリウム2.4μg/mlまではベールの法則に従う.波長570nmにおける錯体のモル吸光係数は8.58×104 l mol-1 cm-1であり,吸光度0.001に対する感度は2.7×10-3μg cm-2である.トリウムとTAMとの錯体組成は,連続変化法及びモル比法により1:3と推定される.トリウム-TAM錯体の生成定数は2.8×1018である.Ba2+,Be2+,Ce3+,Cr6+,La3+及びSr2+はマスキング剤として1×10-2mol dm-3チオセミカルバジド溶液2.0cm3を添加することによりマスキングされる.Co2+,Fe3+,Ni2+,V5+及びZr4+は著しい正の誤差,Fe2+,Mo6+,Ta5+及びW6+は負の誤差で妨害する.