Fournier 壊疽は,突然若年男性の会陰部に発症して急速に劇症型壊疽を形成する病態を1883年にFournier が報告したことに始まる.BrewerとMeleney は類似の疾患で病巣から溶血連鎖球菌(hemolytic streptococci)が分離されたものを壊死性筋膜炎(necrotizing fasciitis)と呼んだが,その後この菌が分離されなくても筋膜を含む皮下組織の壊疽を伴うものをやはり壊死性筋膜炎と呼ぶようになった1).Fournier 壊疽は壊死性筋4膜炎4 4 ともいわれるが,筋層にまで病変が進展し,しかもその範囲は腹壁・胸部・背部・下肢にまで広がることがある.現在では陰囊・陰茎・会陰・肛門部から発生する壊死性軟部組織感染症の一つとして認識されている2).2008~2013 年における本邦のFournier 壊疽107 例の検討によると,周術期死亡率は10%とされ,診断・治療が進歩した今日でさえ予後不良で重篤な感染症である3).