症例は80歳の男性で,突然出現した腹痛を主訴に当院へ救急搬送となった.搬送時,バイタルサインは安定していたものの,苦悶様顔貌を呈し,腹膜刺激症状を認めた.腹部造影CTで,十二指腸下行脚周囲,脾臓周囲,骨盤腔内にややdensityの高い液体貯留を認め,造影剤の血管外への漏出は認めなかったが,腹腔内出血による腹膜炎を疑い,同日緊急手術を施行した.開腹所見では右胃大網動脈に径10 mm大の出血を伴う動脈瘤を認めた.その他に明らかな出血源は認めなかったため,出血していた右胃大網動脈瘤を含め大網部分切除術を施行した.病理組織学的には,右胃大網動脈壁に島状の中膜の残存を認めたことから,segmental arterial mediolysis(SAM)による右胃大網動脈瘤の破裂と診断した.