左冠動脈主幹部完全閉塞をきたした急性心筋梗塞に対し, PTCAに引き続き緊急CABGを施行し救命し得た1例を経験した.症例は56才,男性.発症10日前から労作時に前胸部痛が出現,昭和60年6月15日急性心筋梗塞にて入院した.直ちに冠動脈造影を施行し左冠動脈主幹部の完全閉塞を確認した.造影直後より心原性ショックに陥つたため, IABP下にPTCR, PTCAを施行し,一時的に再開通が得られたが再閉塞をきたした.その後repeat PTCAにもかかわらず閉塞を繰り返したため,引き続き緊急CABGを行ない,血行動態の改善が得られた.本例はIABP, PTCAおよび緊急CABGのいずれが欠けても救命できず,これらの積極的な治療法が奏効したものと考えられた.