舌根, 中咽頭側壁欠損を遊離組織移植術で再建した18症例の術後嚥下機能を摂取食物形態, 水飲みテスト, Videofluorography により評価し, その再建術式を検討した。舌切除範囲は口腔舌を含め舌根1/2以上, 同側の舌骨上筋群, 口底が切除された。中咽頭側壁は舌切除または下顎枝切除に合併切除された。舌根1/2欠損10例は中咽頭側壁を合併切除しても前大腿皮弁や腹直筋皮弁再建により良好な嚥下機能が得られた。舌根2/3+中咽頭側壁欠損3例は前大腿皮弁で再建しても, 誤嚥が後遺した。舌が温存された中咽頭側壁欠損5例は残存粘膜の縫縮が可能な切除範囲でも遊離皮弁再建の方が術後嚥下機能は良好であった。術後嚥下機能は舌根切除範囲の拡大と共に低下した。その原因は再建舌根部の容積不足による口腔咽頭閉鎖不全と舌骨上筋群広範切除に伴う喉頭挙上障害と考えられた。今後, 再建術式の改良と誤嚥防止術の併施を図る必要がある。
各種の遊離皮弁による舌, 口底再建19症例を対象として術後会話機能, 咀嚼機能, 嚥下機能を切除範囲別に評価し, 遊離皮弁再建術が術後機能に及ぼす影響を検討した。会話機能は切除範囲や遊離皮弁による影響が少なく, 咀嚼機能は切除範囲や皮弁よりも下顎再建に影響を受けた。嚥下機能は舌亜全摘型および中咽頭合併切除型で低下し, videofluorographyにより咽頭通過時間の延長および誤嚥を認めた。また咽頭通過時間の分析より前腕皮弁は前外側大腿皮弁や腹直筋皮弁よりも残存舌運動への影響が大きいことが示唆された。皮弁の選択は残存舌運動の保持と大きな欠損の充填効果が期待できる前外側大腿皮弁や腹直筋皮弁が適応する。