食道穿孔は診療の現場で遭遇する頻度はまれであるが,成因は多岐にわたる.縦隔は疎な組織であるため,食道に穿孔が生じると頸部・胸部・腹部に炎症が波及し縦隔炎をきたし,膿胸・敗血症を併発しやすい.治療手技は容易でなく,適切な診断・治療が早期に行われないと重篤な経過を急速にたどる.そのため,迅速で的確な診断と,症例に応じた最適な治療法の選択が重要である.