概要:今日の大語彙連続音声認識において,デコーディングとの相性から,N-gramモデルが最も実用的な 言語モデルとして利用されている.N-gramモデルは,膨大なモデルパラメータに起因するデータスパー スネスの問題を持つことが知られており,この問題を解決するために,スムージングや次元削減に基づ く様々なアプローチが検討されてきた.これに対して我々は,学習データ自体を新たに生成し,生成した データに基づき N-gramモデルを推定する生成型アプローチを検討する.本稿では,高性能な生成モデル である Latent Words Language Model(LWLM)をデータ生成のためのモデルとして利用する.LWLM自 体を音声認識に直接利用することは,計算コストの問題から非現実的ではある.しかし,確率過程に基づ きデータ生成を行うことは比較的容易である.ベイズ推定に基づく LWLMは,スムージングと次元削減を 同時に考慮した非常に柔軟なモデル構造を持つ.よって,生成されたデータから推定した N-gramモデル は,学習データから直接推定した N-gramモデルとは異なる性質を持ち,様々なタスクで頑健に動作する ことが期待できる.そこで本稿では,複数タスクで様々な言語モデルとの比較実験を行うことで,LWLM を用いた生成型アプローチの有効性を検証する.