肝臓の重要な機能の一つに,糖の取り込みと放出があり,血糖値の維持に重要な役割を果たしている.そのため肝機能障害時は,耐糖能異常が現れやすい.肝硬変では肝組織の硬化のため糖の取り込み能が低下し,患者の 60~80% が耐糖能異常を呈し,10~15% に糖尿病を発症する.糖代謝の特徴として,空腹時血糖値は正常域であっても,食後の高血糖と高インスリン血症を示すことがあげられる.C型肝炎ウイルス感染自体が,インスリン抵抗性を増強させ,耐糖能を悪化させる可能性がある.非アルコール性脂肪性肝炎は進行性の慢性肝病変であり,肝癌の基礎病変にもなりうる.耐糖能の悪化も高率に起こるため,早期から適切な食事・運動療法の指導が大切である.