第23回全国原発性肝癌追跡調査においては,516施設から2014年1月1日から2015年12月31日までの2年間の20,889例の新規症例と42,274例の追跡症例が集計された.基礎統計は,第23回新規登録症例を対象として死因,既往歴,臨床診断,画像診断,治療法別の各因子,病理診断,再発,剖検についてまとめた.第22回調査と比較し,肝細胞癌における臨床診断時の高齢化,女性の増加,非B非C肝癌の増加,腫瘍径の縮小の傾向が,治療においては切除の割合の増加,局所療法におけるラジオ波焼灼療法の増加が認められた.2002年から2015年までの新規登録症例の中で最終予後が生存または死亡となった症例(不明を除く)について肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌の治療法別,背景因子別生存中央値・累積生存率を算出した.肝細胞癌については腫瘍個数,腫瘍径,肝障害度,Child-Pugh分類を組み合わせることにより背景因子を揃えて,治療法別(肝切除,局所療法,肝動脈塞栓療法(TACE)),肝動注化学療法,全身薬物療法(分子標的治療)の累積生存率を算出し,また,1978年から2015年までの新規登録症例を5期に分け,累積生存率を算出した.新規登録症例数は経時的に増加し,肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌ともに予後の改善が著しいことが明らかとなった.本追跡調査が原発性肝癌の研究および診療の進歩に役立つことを期待する.
第22回全国原発性肝癌追跡調査においては,2012年1月1日から2013年12月31日までの2年間の21,155例の新規症例と43,041例の追跡症例が538施設から集計された.基礎統計は,第22回新規登録症例を対象として死因,既往歴,臨床診断,画像診断,治療法別の各因子,病理診断,再発,剖検についてまとめた.第21回調査と比較し,肝細胞癌における臨床診断時の高齢化,女性の増加,非B非C肝癌の増加,腫瘍径の縮小の傾向が,治療においては切除の割合の増加,局所療法におけるラジオ波焼灼療法の増加が認められた.2002年から2013年まで新規登録症例の中で最終予後が生存または死亡となった症例(追跡不能症例を除く)について肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌の治療法別,背景因子別生存中央値・累積生存率を算出した.肝細胞癌については腫瘍個数,腫瘍径,肝障害度,Child-Pugh分類を組み合わせることにより背景因子を揃えて,治療法別(肝切除,局所療法,肝動脈塞栓療法(TACE)),肝動注化学療法・全身薬物療法(分子標的治療)の累積生存率を算出し,また,1978年から2013年までの新規登録症例を5期に分け,累積生存率を算出した.新規登録症例数は経時的に増加し,肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌ともに予後の改善が著しいことが明らかとなった.本追跡調査が原発性肝癌の研究および診療の進歩に役立つことを期待する.
第21回全国原発性肝癌追跡調査においては,546施設から2010年1月1日から2011年12月31日までの2年間の22,134例の新規症例と41,956例の追跡症例が集計された.基礎統計は,第21回新規登録症例を対象として死因,既往歴,臨床診断,画像診断,治療法別の各因子,病理診断,再発,剖検についてまとめた.第20回調査と比較し,肝細胞癌における臨床診断時の高齢化,女性の増加,非B非C肝癌の増加,腫瘍径の縮小の傾向が,治療においては切除の割合の増加,局所療法におけるラジオ波焼灼療法の増加が認められた.1998年から2011年まで新規登録症例の中で最終予後が生存または死亡となった症例(不明を除く)について肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌の治療法別,背景因子別累積生存率を算出した.肝細胞癌については腫瘍個数,腫瘍径,肝障害度,Child-Pugh 分類を組み合わせることにより背景因子を揃えて,治療法別(肝切除,局所療法,肝動脈塞栓療法(TACE)),肝動注化学療法の累積生存率を算出し,また,1978年から2011年までの新規登録症例を4期に分け,累積生存率を算出した.新規登録症例数は経時的に増加し,肝細胞癌の予後の改善が著しいことが明らかとなった.本追跡調査が原発性肝癌の研究および診療の進歩に役立つことを期待する.
第20回全国原発性肝癌追跡調査においては,544施設から2008年1月1日から2009年12月31日までの2年間の21,075例の新規症例と40,769例の追跡症例が集計された.追跡症例の有効回答率は90.4%であった.うち解析に使用可能であった症例の有効回答率は56.2%であった.基礎統計は,第20回新規登録症例を対象として死因,既往歴,臨床診断,画像診断,治療法別の各因子,病理診断,再発,剖検についてまとめた.第19回調査と比較し,肝細胞癌における臨床診断時の高齢化,女性の増加,非B非C肝癌の増加,腫瘍径の縮小の傾向が,治療においては局所療法におけるラジオ波焼灼療法の増加が認められた.1998年から2009年まで新規登録症例の中で最終予後が生存または死亡となった症例(不明を除く)について肝細胞癌,肝内胆管癌,混合型肝癌の治療法別,背景因子別累積生存率を算出した.肝細胞癌については腫瘍個数,腫瘍径,肝障害度,Child-Pugh分類を組み合わせることにより背景因子を揃えて,治療法別(肝切除,局所療法,肝動脈塞栓療法(TACE))の累積生存率を算出し,また,1978年から2009年までの新規登録症例を4期に分け,累積生存率を算出した.新規登録症例数は経時的に増加し,肝細胞癌の予後の改善が著しいことが明らかとなった.本追跡調査が原発性肝癌の研究および診療の進歩に役立つことを期待する.
わが国において原発性肝癌による死亡数は,肺癌,胃癌,大腸癌に次いで悪性新生物による死因の第4 位であり,その95%は肝細胞癌である.肝細胞癌に対する治療として,穿刺局所療法は肝切除とともに確立した治療法のひとつとなっている.とくにラジオ波焼灼術(RFA)はその高い治療効果から,現在肝細胞癌に対する穿刺局所療法の中心的存在となっている.RFA の適応は,一般的には肝機能Child-Pugh 分類のA またはB,腫瘍径3 cm 以下,腫瘍数3 個以下とされている.RFA はその実際的な治療手技自体も重要であるが,その他術前のプランニングや,治療後の外来での経過観察も,良好な治療成績を達成するために欠かせない要素である.これまでに当科でRFA を施行した初発肝細胞癌の生存率は5 年60.2%,10 年27.3%であった.当科ではRFA に際して体位変換,人工胸水法,人工腹水法などさまざまな工夫を行っている.また最近では,ソナゾイド造影超音波やmultimodality fusion imaging など最新の技術も取り入れて治療を行っている.RFA は今後も画像診断をはじめとしたさまざまな技術革新により,さらなる進歩を遂げることが期待される.