これまで心理教育は数多く開発され,その多くは学校で児童生徒の健康や適応上の問題の発生を予防したり,重篤化を防いだりするものであった。学術雑誌においてその教育効果が公表されて来たが,効果の高いプログラムでもあっても,その後に学校で恒常的に安定して実施されることはほぼなかった。子どもたちの健康や適応上の問題が増加する中で,効果のあるプログラムが恒常的に実施されることは急務になるが,その実現への障壁は高い。これまで,子どもたちの健康・適応問題を前に,心理教育の恒常的安定実施の必要性が強調されて来なかったわけではない。しかし,研究者の姿勢がプログラムを開発し,効果評価を確認することに留まっていたためか,この壁を乗り越えるほどの成果には至らなかった現実がある。そこでこのシンポジウムでは,この壁を乗り越え,学校で恒常的に安定して心理教育を行うために,研究者に何ができ,また,何をやるべきなのかについて探りたい。
1章 子どもたちの自殺の現状と本研究の意義について 2章 子どもたちのいのちと死について(単純集計) 3章 子どもの抑うつ感について 4章 思春期における死生観と抑うつ感について 5章 いのちと死の教育について 自殺予防教育の構造と実践の方向性—いのちと死の授業の位置づけ 6章 仏教者からみた子どものいのちと死 7章 世界の自殺予防教育