Malignant gastric outlet obstruction(malignant GOO)を認める胃・十二指腸癌非切除例に対する内視鏡的自己拡張型金属ステント(self-expandable metalstent:SEMS)留置術(内視鏡的SEMS 留置術)は,生命予後2 ヵ月以内と推測できる,全身状態が不良な患者に対する有用な緩和治療として広く行われている.しかし,術後再建腸管領域の癌再発による狭窄・閉塞病態に対する内視鏡的SEMS 留置術では,手技の難易度が一気に上がり,その内容も確立されていない.本稿では,術後再建腸管の輸入脚領域の癌再発による狭窄・閉塞に対して,われわれが行っている2-step 法による内視鏡的SEMS 留置術(輸入脚にイレウス管留置・減圧→二期的に内視鏡的SEMS 留置)の実際を中心に概説した.
National Clinical Database(NCD)データの集積と詳細な解析により,大腸外科においては右半結腸切除術と低位前方切除術について術後死亡率や合併症発生率の予測ならびに自施設の治療成績の把握が可能となってきた.今後はほかの大腸外科手術術式についても同様のフィードバックがなされるようになると考えられる.われわれ臨床医は,フィードバックされた情報を術前のインフォームド・コンセントに取り入れ,また自施設の診療内容を見直すきっかけとするように努めなければならない.
術後慢性偽性腸閉塞症は報告例が7 例ときわめて少なく,背景因子がさまざまであることから,発症要因について確定的なものはない.しかしながら,報告例がすべて女性であり,1 例を除いて発症が閉経前年齢であると考えられることから,女性ホルモンの関与が示唆されており,女性ホルモン分泌を抑制する薬剤の投与により腸閉塞症状が劇的に改善した海外報告例もある.一方,腸管にまったく操作が及ばない手術で発症する症例もみられることから,自律神経のバランスの破綻に発症要因を求める考えも提唱されている.不必要な腸管操作が術後の腸管運動回復を遅延させることを示した基礎的研究もみられることから,腹腔鏡手術などの低侵襲手術を心がけるべきであろう.高いエビデンスレベルの予防対策については今後の検討課題である.