本邦では超高齢社会を迎え,下部消化管出血において高齢者が占める割合が増加している.高齢者の下部消化管出血の原因疾患としては大腸憩室出血が最多であり,他に,良性の直腸肛門病変,大腸炎,大腸悪性疾患,大腸内視鏡治療後出血,大腸ポリープ,angiodysplasiaなどがあるが,四分の一では原因が不明である.超高齢社会においては下部消化管出血を認めた場合は上記疾患を鑑別する必要がある.また原因不明の消化管出血には心・血管疾患に伴う消化管出血なども念頭に診療を行う必要がある.