症例は75 歳,女性。皮膚瘙痒感と尿濃染のため近医を受診し,閉塞性黄疸の診断で当院紹介され緊急入院となった。内視鏡的逆行性膵胆管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography: ERCP)にて中部胆管に高度狭窄を認め,内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(endoscopic retrograde bile drainage: ERBD)を留置し減黄した。擦過細胞診はclass III であった。中部胆管癌の診断で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的検査にて,腫瘍は大部分が腺管構造の不明瞭な細胞構造で,免疫染色にてchromogranin A,synaptophysin,CD56 がそれぞれ陽性であったため,胆管原発の小細胞癌の診断となった。胆管原発の小細胞癌(神経内分泌癌)は極めてまれであり,本邦論文の切除報告例は自験例を含めて22 例のみである。本症例は術後14 か月無再発生存中であるがその予後は不良であり,今後も慎重な経過観察が必要である。