症例は39歳男性. 健康診断の超音波で脾臓に腫瘤を指摘され, 当院消化器科を受診した. 腹部CTで脾臓下極に8cmの腫瘤を認めた. 画像上悪性腫瘍を否定できず診断的治療のために脾臓摘出術を行った. 手術所見では線維性被膜を有し表面は整で硬い腫瘤を脾臓下極に認め, 脾臓摘出術を行った. 病理組織学的に腫瘤は厚い線維性被膜を有し, その中に紡錘形細胞の増殖が見られた. 免疫染色はCD35陽性, clusterin陽性, fascin陽性であった. 以上から, 脾臓原発のfollicular dendritic cell tumor (FDC腫瘍) と診断した. 肝臓, 脾臓のFDC腫瘍に多いとされるEBV感染はみられなかった. FDC腫瘍は稀な疾患であり, 若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は77歳,男性.両下肢浮腫と腹部膨満感を主訴に近医を受診し当院に紹介された.腹部CT検査で,骨盤内に17×15cm大の腫瘤を認めた.腹部血管造影検査で,下腸間膜動脈と両側内腸骨動脈からの腫瘍濃染像を認めた.以上から,骨盤内malignant fibrous histiocytomaを疑い手術を施行した.腫瘍は骨盤内全域を占め,膀胱,尿管,腸骨動静脈への浸潤はなく,直腸への浸潤が疑われ,腹会陰式直腸切断術を施行した.腫瘍は20×17×11cm,1,880gであり,割面は黄白色充実性で出血壊死を伴っていた.病理学的には,膠原線維の増生を伴った紡錘形細胞がみられ,免疫染色では,CD34,CD99,Bcl-2が陽性,c-kitは陰性で,solitary fibrous tumorと診断した.また,cytokeratinが陽性の細胞が混在していた.46病日に退院したが,術後8カ月で多発性肺転移,腹膜播種が出現し,11カ月で永眠され,悪性度の高いものであると推測された.