プロテアソーム阻害剤の発見によって悪性疾患の治療を改善するという希望を果たすことはできなかったが,最初のプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(ベルケイド(R))は,初発あるいは再発難治性多発性骨髄腫において予後の改善に寄与してきた.ボルテゾミブと高用量デキサメタゾンを比較した大規模ランダム化試験であるAPEX 試験の結果では奏効率,無増悪生存率,全生存率においてボルテゾミブの優位性が証明され,この結果をもってボルテゾミブの再発難治性多発性骨髄腫での使用が承認された.さらに,他の薬剤との併用によってその作用が増強されることも証明され,つぎの段階は新規多発性骨髄腫へと移行した.事実,ボルテゾミブ・メルファラン・プレドニゾン(VMP 療法)は高齢者の新規骨髄腫患者の標準治療として承認された.しかし,投与に必要とされる経静脈ルートと同様に,毒性とくに神経障害は,2 つのもっとも重大なボルテゾミブ関連事項である.末梢神経障害を減じる試みとして,週1 回の投与スケジュールの導入と管理の新しいガイドラインによって神経障害の頻度は有意に減少し,経静脈投与を避けるために,皮下投与が近年導入されてきた.第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅲ相試験の結果から,皮下投与は実現可能でボルテゾミブ使用の最適化に向かったさらなる段階を意味し,結果として,すくなくとも効果は同等であるが,経静脈ルートよりもっと便利な方法であることが判明した.
近年,リツキサン耐性が問題となっているが,我々はCD20遺伝子の変異解析とリツキサン抵抗性との関係について解析した.B細胞性リンパ腫50 例中CD20 の遺伝子解析により変異が認められたものは11 例で4群に分類された.C末端欠損変異はCD20 発現低下と有意に相関していた.奏効率には有意差がないものの,リツキサン投与後の無増悪期間はC末端欠損変異群では有意に短縮していた.
進行期aggressive リンパ腫には,臨床病期Ⅱ〜Ⅳ,Ⅰでbulky disease のものが含まれ,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が最も多く30% を占め,国際予後指標(IPI)から,low,low/intermediate,high/intermediate,high の4群に分類される.数週間から数ヵ月で進行し,高齢化社会となって頻度も約2倍に増加し標準治療としてリツキシマブ-CHOP となった.