【目的】我々は以前,マウスCD4+CD25-LAG3+T細胞を新規制御性T細胞として同定した.2013年,RoncaroloらがCD4+LAG3+CD49b+T細胞をヒトにおけるType1制御性T細胞だと報告し,LAG3の重要性が強調されている.我々は関節リウマチ(RA)患者の末梢血単核球(PBMC)におけるCD4+CD25-LAG3+T細胞(CD25-LAG3+Treg)のデータを集め,健常人での機能解析を行い,その意義を見出すことを目的とした.【方法】東京大学医学部附属部病院のRA患者65人と健常人26人のPBMCを,FACSを用いて各細胞サブセットを解析し,CD25-LAG3+Tregと関節リウマチの臨床データとの相関,治療との関連を調べた.また,健常人PMBCを用いて機能解析を行った.【結果】健常人PBMCのCD25-LAG3+T細胞の解析ではCD49bの有無に関わらず,CD4+CD25+Tregと比べてもIL-10を高産生しており,またマウス同様にB細胞の抗体産生を著明に抑制していた.RAの活動性が高い群は低い群に比べ,また健常人と比べてCD4+T細胞におけるCD25-LAG3+Tregの割合は有意に低かった.多くの患者で,アバタセプト導入前と比較し投与6か月後にはCD25-LAG3+Tregが増加していた.【結論】CD25-LAG3+TregはIL-10を高産生し,B細胞の抗体産生を抑制し,RA患者の解析よりCD25-LAG3+Tregが自己免疫疾患の発症を抑制する可能性が示唆された.アバタセプトによる効果の意味づけは今後の課題だが,さらなる解析を進め,自己免疫疾患における意義を見出していく.
【目的】関節リウマチ(RA)の免疫学的異常の全体像,shared epitope(SE)有無及び臨床像との関連を検討した.【方法】RA患者60名,健常人30名を対象とした.10名ではアバタセプト(ABT)治療前後での比較を行った.末梢血CD3+CD4+T細胞,B細胞,NK細胞,単球,樹状細胞のHLA-DR発現定量とFACS分類,RA患者のHLA-DRB1タイピングによるSEの有無を検討した.一部の症例ではCD4+T細胞亜分画のRNA-seqによる発現解析を行った.【結果】(1)DAS28とCD4+CD45RA-CXCR5-CXCR3-CCR6-(non-Th1/Th17)細胞比率に正の相関を認めた.リウマトイド因子とCD19+CD27highCD38high plasmablast(PB)比率,PB比率とCD4+CD45RA-CXCR5+CCR6+CXCR3-(Tfh-Th17)細胞比率に正の相関を認めた.(2)SE陽性者ではB細胞,単球上のHLA-DR発現量増加を認めた.(3)ABT治療によってHLA-DR陽性T細胞,B細胞,CD14brightCD16+単球比率が減少した.(4)CD4+T細胞亜分画のRNA-seqではCXCR5/CXCR3/CCR6による亜分画分類の妥当性が確認され,それぞれに特徴的発現パターンを認めた.【結論】RAでは多様な免疫学的異常が生じており治療によって改善しうること,特にnon-Th1/Th17, Tfh-Th17, PBは治療標的となりうることが示唆された.