This interpretive qualitative study examines how teachers in western Japan approach curriculum making and learning instruction in lower-elementary living environment studies (LES) education. LES aims to develop children’s awareness of their relationship with and connection to their environments. Semi-structured interviews were conducted with six LES teachers with experience teaching in various localities from a certain prefecture of the Chugoku region, to explore the influences behind their approaches to curriculum making. Results reveal that LES curriculum making involves aligning children’s interests and concerns with the environment of the community they live in. Insights for designing curriculums in lower-elementary education are presented.
This paper is a systematic review of scholarly articles published in Japan from 1989 to 2019 that discuss instruction regarding the formation of spatial cognition in the context of elementary school social studies. This study aims to examine the trends, transitions, and challenges of this field of research and clarify the backgrounds of these studies. Based on the results of the review, four research themes were determined: "objectives, principles, and curriculum," "lesson design," "maps and globes," and "learning assessment." For the continued development of this field, we assert the need for further research into (1) the construction of a lesson model that encourages participation in community development and its actual practices based on children's formation of their worldview; (2) collaboration between researchers and teachers to investigate actual situations and obstacles to teaching and propose strategies for teacher competence development based on evidence; and (3) assessment of the relationships between geography, geography education, and social studies, and consideration of curricula and learning instruction with respect to the formation of children's spatial cognition, via collaboration among researchers involved in these fields.
欧米の地理教育・社会科教育では近年,古典的な地理情報システム(GIS)教育の代替案として提案された「空間的な市民性教育(Spatial Citizenship Education;以下 SCE)」が注目されている。本稿では文献研究を通して,欧米の地理教育・社会科教育における SCE の研究動向および特質を明らかにする。SCE では,空間,場所,スケール,権力,そして人間―環境関係といった地理の概念が重視されるとともに,社会的な意思決定プロセスに参加できる市民の育成が目指されている。その際に重要とされるのが地理空間情報や GIS をはじめとするジオメディアである。具体的な取り組みに関しては,初等・中等教育におけるジオメディアを用いた学習だけでなく,地理教師のためのコンピテンスや研修カリキュラムといった教師教育に関するものもみられた。SCE の動向の検討から,日本の地理教育・社会科教育においても,地理学者・地理教育の専門家と社会科教育の専門家によるそれぞれの専門性を踏まえた SCE 研究,教師教育の推進が不可欠である。
本研究の意図することは,“誰もがわかる,誰もが学ぶことができる”という本来の教育の理念を取り戻すことで,特別支援教育と教科教育の間に作られていた溝を埋めること,また,これらの教育相互において本来教育が持っている理念を実現することである。そして,それによって学校教育総体を新たに創造することを目指すことである。本研究は,学習困難の概念を用い,社会科教育(の教授や学習)において妨げていることを手がかりに,理念を実現する状態を作りだすことを追究しようとするものである。 第1稿で,学習困難を生み出す要因を仮説として提出し,その妥当性を特別支援学校・小学校・中学校社会科学習指導要領および“特別支援学校”用教科書と“通常”学校用社会科教科書を比較することによって検討した。また,第2稿では特別支援学校,通常学校双方の学習指導要領と教科書の全体比較と地理的内容を,第3稿で歴史的内容を,第4稿で公民的内容を比較考察した。第5稿の本稿では,これまでの研究を総括し,研究の目的,仮説,その結果を総括・考察し,仮説に対する結論を提示した。 結論としては,①特別支援学校用社会科教科書は教育や社会科の考えにもとづき,学問よりも生活との関連,生徒が社会において行き抜くために役立つこと,生徒と社会との関わりを内容選択・配列,また教授・学習の重点として採用し,②学習困難を社会(地理,歴史,公民)の学習に対する生徒の困難と考え,③とりわけ,社会生活との関連を重視し,学習困難を極力生みださない配慮をしていることを示した。これらの配慮を,4つの仮説との関連では,情報処理の容易性,情報の特定的な見えへの限定という決断性,動き,動作,行為を伴う行為随伴性によって学習困難を乗り切り,社会の学習が社会との関わりとして成果を生み出すものとして設計している,というものであった。この結論から引き出せることは,特別支援学校用社会科教科書は社会の学習に関して,社会生活との関わりによって従来の通常学校用社会科教科書が含み持つ社会の学習において生ずる学習困難を避け,一人ひとりの生徒が学び取るものを確保している,ということである。
本研究の意図することは,“誰もがわかる,誰もが学ぶことができる”という本来の教育の理念を取り戻すことで,特別支援教育と教科教育の間に作られていた溝を埋めること,また,これらの教育相互において本来教育が持っている理念を実現することである。そして,それによって学校教育総体を新たに創造することを目指すことである。本研究は,学習困難の概念を用い,社会科教育(の教授や学習)において妨げていることを手がかりに,理念を実現する状態を作りだすことを追究しようとするものである。 第1稿で,学習困難を生み出す要因を仮説として提出し,その妥当性を特別支援学校・小学校・中学校社会科学習指導要領および“特別支援学校”用教科書と“通常”学校用社会科教科書を比較することによって検討した。また,第2稿では特別支援学校,通常学校双方の学習指導要領と教科書の全体比較と地理的内容を,第3稿で歴史的内容を,第4稿で公民的内容を比較考察した。第5稿の本稿では,これまでの研究を総括し,研究の目的,仮説,その結果を総括・考察し,仮説に対する結論を提示した。 結論としては,①特別支援学校用社会科教科書は教育や社会科の考えにもとづき,学問よりも生活との関連,生徒が社会において行き抜くために役立つこと,生徒と社会との関わりを内容選択・配列,また教授・学習の重点として採用し,②学習困難を社会(地理,歴史,公民)の学習に対する生徒の困難と考え,③とりわけ,社会生活との関連を重視し,学習困難を極力生みださない配慮をしていることを示した。これらの配慮を,4つの仮説との関連では,情報処理の容易性,情報の特定的な見えへの限定という決断性,動き,動作,行為を伴う行為随伴性によって学習困難を乗り切り,社会の学習が社会との関わりとして成果を生み出すものとして設計している,というものであった。この結論から引き出せることは,特別支援学校用社会科教科書は社会の学習に関して,社会生活との関わりによって従来の通常学校用社会科教科書が含み持つ社会の学習において生ずる学習困難を避け,一人ひとりの生徒が学び取るものを確保している,ということである。
The purposes of this paper are to develop the draft of handbook for planning, teaching and accessing the class of social studies and evaluate effects of the handbook for teacher training and their professional development. The structure of the first draft was designed based on Kolb's learning theory. The present results suggested that the usefulness of the contents structure was perceived by (1) pre-service teachers and (2) in-service teachers, and the possibility for application was also recognized by the teacher educator as (3) university professor who teach methods courses, (4) senior supervisor who is in charge of designing the professional development programs and (5) younger supervisor who is in charge of tutoring the novice teacher, but they illustrated their different types of the significances, limits and utilization according to their purposes and as well as their responsibility. The authors implicated the alterative design of the handbook based on Korthagen's reflective learning model for meeting their purposes and solving the structural problems inherit in the handbook.
本研究は,本来の教育の理念を回復するために,特別支援教育の使命と理念である,“誰もがわかる,誰もが学ぶことができる”ことに学び,教育の新たな創造をめざすための予備的研究である。本研究では,つまずきは誰もが持っている教育の状態であり,特別に支援が必要な子どもだけではない。すべての子どもがつまずく可能性を持っている,と考え,学校の授業や活動においてすべての子どもたちが支障なく学ぶことができる状態を作り出すことが必要だろう,と仮定し,研究を進めている。 本稿は,第3稿として,研究の目的と仮説を確認したのち,歴史的内容に焦点を当て,“特別支援学校”用社会教科書(『くらしに役立つ 社会』東洋館出版社,2007,以下,本教科書と略す)を“通常”学校用社会科歴史教科書と比較し,研究仮説の妥当性を検討する。 考察の結果,特定の視点による現在と結び付けた歴史の学習と,独立し,網羅的に配列した歴史の学習という歴史学習の違いが明らかになった。歴史の学習には基本的に,学習者の現在の生活と時間的な隔たりがある。その隔たりが歴史的内容の抽象性を高め,学習困難を生む可能性がある。しかし,本教科書のように,歴史的内容を現在学習者が生活している場所(地理)や社会のシステム(公民)と関連付けることによって,歴史的内容の抽象性を緩和するように工夫することができる。
本研究は,本来の教育の理念を回復するために,特別支援教育の使命と理念である,“誰もがわかる,誰もが学ぶことができる”ことに学び,教育の新たな創造をめざすための予備的研究である。本研究では,つまずきは誰もが持っている教育の状態であり,特別に支援が必要な子どもだけではない。すべての子どもがつまずく可能性を持っている,と考え,学校の授業や活動においてすべての子どもたちが支障なく学ぶことができる状態を作り出すことが必要だろう,と仮定し,研究を進めている。本稿は,第3稿として,研究の目的と仮説を確認したのち,歴史的内容に焦点を当て,“特別支援学校”用社会教科書(『くらしに役立つ 社会』東洋館出版社,2007,以下,本教科書と略す)を“通常”学校用社会科歴史教科書と比較し,研究仮説の妥当性を検討する。 考察の結果,特定の視点による現在と結び付けた歴史の学習と,独立し,網羅的に配列した歴史の学習という歴史学習の違いが明らかになった。歴史の学習には基本的に,学習者の現在の生活と時間的な隔たりがある。その隔たりが歴史的内容の抽象性を高め,学習困難を生む可能性がある。しかし,本教科書のように,歴史的内容を現在学習者が生活している場所(地理)や社会のシステム(公民)と関連付けることによって,歴史的内容の抽象性を緩和するように工夫することができる。
本研究は,本来の教育の理念を取り戻すことで,特別支援教育と教科教育の間に作られていた溝を埋めること,また,これらの教育相互において,“誰もがわかる,誰もが学ぶことができるという本来の教育の理念を目指すことで,学校教育総体の新たな創造を意図している。つまずきは誰もが持っている教育の状態であり,特別な支援が必要な子どもだけではない。すべての子どもがつまずく可能性を持っている。学校の授業や活動においてすべての子どもたちが支障なく学ぶことができる状態を作り出すことが必要だろう。 そのために,つまずき,困難,障害の概念の関係を改め,困難,とりわけ,学習困難を視点にすることにより,教科教育の教授-学習を構成することにおいて,つまり,授業の構想・計画,実施・実践,点検・評価,改善・再構想の過程において必要なポイントを仮説として提出する。その上で,小学校・中学校社会科学習指導要領と(続く,第2稿では,“通常学校用社会科教科書と)“特別支援学校用教科書と比較することによって妥当性を検討する。本研究の目的は,第一に,問題の所在,研究の目的と仮説,対象,見通しを述べ,研究仮説を示すこと,第二に,本来の教育の理念にもとづき,特別支援学校用として作成された教科書を,小学校・中学校社会科学習指導要領,通常学校用社会科教科書と比較することを通して,この特別支援学校用教科書はどのような学習困難を想定し,どのような克服策を準備しているかを解明すること,第三に,設定した研究仮説の妥当性を検討することに置いている。本第1稿は,第一と第二を目的として進める。